第一章-5
「大丈夫です、私たちしか見ませんから。流出はありえません」
「そうよそうよ。誰がこんな良いものを流そうとしますか。ヒロユキ君の痴態は私たちで独占したいのよ」
確かに、この三人なら信用してもいいかもしれない。けど抵抗感は大きい。
「まったく……わがままだなぁ……もう」これ以上何を言っても通じないのはすぐにわかる。
仕方なく、ボクはテーブルに登って椅子に座る。
「私たちも座りましょうか」
アオイさんに促され、スミレと姉もパイプ椅子に着席した。これで準備OK……何だけど。
『…………』
「…………」
できるわけないじゃん!直視されて自慰何て出来ないよ!
「あ、あのぉ……そんなに見られると出来ないんですけど……」
「そう言われてもねぇ。見ないとショーにならないし」
「私としてはヒロの痴態を瞬きせずに見たいのよ」
「お願いします。どうか羞恥心を捨て去ってください。そうすれば必ず出来るはずです」
羞恥心って……。それのおかげで自制が効いているのに。どこまで貪欲なんだ、この人たちは。
「ふぅ……」
一息吐いてから、ボクは覚悟を決めた。スッと心の荷が下りるのを待ってから、ボクはいよいよパジャマズボンとボクサーブリーフをためらいがちに脱ぎだした。
「おおっ……ついに来た!ヒロユキ君が脱いだ!何だか脱衣麻雀で慣れない勝負にやっと勝った気分ね」
「あうう……ヒロが脱ぎ脱ぎしてるぅ……カ・ン・ゲ・キ♪」
「おふたりとも、お静かに。ご主人様にいらぬ緊張を与えてしまいます。ショーはあくまで厳粛に行われるべきです」
ボクは三人の言葉に耳を貸さず、誰も居ない、という想定で脱いでいく。ボクサーブリーフが足を抜けると、いよいよボクの下半身が丸出しになった。
ちなみにボクに無駄毛は一切なく、アンダーヘアすら生えていない。パッと見が美少女に近いからこんなことをさせるんだろうな。
(予想通りだけど……やっぱり恥ずかしい……)
どうやらボクには、完全に羞恥心を捨て去ることは出来ないらしい。それを証拠にズキズキと胸にくるものがある。緊張という名の鋭い針が。
だけど、そのままでは現状を打破できないので、勢いそのままに、ボクは勃起したペニスをシコシコとしごいてみた。
『キタァァァ!』
三つの声がリンクするまぁ、待ちに待った瞬間だろうから。ボクは構わず自慰にふけった。
「うう……これって案外イイ……」
思わぬ心地よい快感にボク自身、肯定の呟きをしてしまった。
今まで自慰など取るに足らない、愚行に考えていたけど、とんでもない。こんなにイイ快感を得る行為、自慰は人間にとって必要な行動だ。
やり方は、優しくしごく。あまり乱暴に扱うのは、慣れないボクには危険と判断したから。
「んくぅ……はふっ」
思わず声が出てしまう。ただ、そんな声も、目の前の美少女・美女三人には最高のご馳走となる。
「聞いた?今のヒロの喘ぎ声。キュンときちゃう!」
「あの羞恥に悶える表情。なんとも言えないわ」
「ご主人様ぁ……ステキですぅ。……濡れてきちゃいそう」
ボクは、ふとペニスに目をやると、鈴口からどぷどぷと透明でねとねとした液体が出現していた。どうやらカウパーを出すまでにボクの快感は高まったらしい。
「ヒロユキ君、その液体をペニスにまぶすのよ。そうすれば、もっと気持ちよくなれるわ」
アオイさんのアドバイスを受け止め、ボクは空いていた左手で亀頭や竿にまんべんなく、先走りに塗りたくった。すると、ぬちゃぬちゃ音が激しくなり、ボクの快感速度は更に加速する。
「いいよぉ……これ、イイ!」
最後のイイは魂の叫びに近かった。今まで抑圧されていた何かが弾けとんだような気がした。
手の速度は次第に早くなり気がつくと全力でシコっていた。これがしばらく続いて、いよいよ来るべきときが来た。