異界幻想 断章-19
「それじゃ、俺も気持ちよくさせてもらおうかな」
濡れそぼった淫唇に、初々しい若木が押し当てられる。
「いくよ、フラウ」
「はい……」
フラウは目を閉じ、体がゆっくりと押し拡げられる感覚のみに集中した。
自分を蹂躙するのではなく、慈しんでいくジュリアスの接触。
その彼と一つになっていくのは、震えるほどに嬉しい。
「……おや」
腰を進めながら、ジュリアスは呟く。
精を放出して萎んでいた肉棒が、みるみるうちに力を取り戻していくのだ。
「元気だね」
くすりと笑ってから、ジュリアスはゆっくり刀身を引き抜いていく。
「ああ、あ……」
お腹の中から肉棒が去っていくと、フラウは思わず声を上げた。
「ん?」
急に腰を動かして再び埋没させると、フラウがのけ反った。
蜜壺の中を撹拌しながらフラウの勃起を扱くと、高い声が漏れる。
「男と女の両方を同時に味わえるなんて、贅沢な体だよな」
ジュリアスは呟いてから、少しずつ腰を動かし始める。
出ていく時はゆっくりと、入っていく時は早めに。
きつく締め上げてくるフラウの望むままに、ジュリアスは動いた。
「ジュリアス、様……!」
躊躇いがちに伸ばされたフラウの手を、首の後ろへ回させる。
体がより密着すると、ジュリアスは彼女と唇を重ねた。
「ん、ん……!」
肉壺を掻き混ぜながら唇を貪り、腹にぶつかる肉棒を扱く。
相手を慈しむ、愛おしむ。
彼はごく普通にフラウを抱いているのに、抱かれているフラウはいつしか涙を滲ませていた。
彼女は、こんな風に抱かれた事はいまだかつてない。
自分から積極的に求めるのも初めてで、ジュリアスはそれへ十二分に応えてくれる。
体を交わらせる事は本来こんなにも心地よく、感情が溢れ出してくるものなのだと思い知らされる。
「ジュリアス様……」
想いをどう表現すればいいのか分からず、フラウはただ少年の名を囁いた。
「ん?」
腰の動きを止め、ジュリアスはフラウを抱き締める。
「私は……私は……」
言葉が喉に引っ掛かる。
「……無理に表現するな。いつかきっと、すんなり言えるようになる」
軽い口づけを落とすと、ジュリアスは再び腰を使い始めた。
フラウに合わせるために必死で我慢しているが、正直に言って体は限界が近い。
これ以上射精を堪えるのは、無理な相談である。
「……あ……」
今までにない激しい腰使いに、フラウは素早く理解した。
全身で少年を受け入れながら、膨らみきった自らの肉棒を扱く。
ジュリアスと、一緒に達したかった。
「あっ、ああ、あ……!」
「くっ、フラウ……!」
さらに加速した肉茎の抽送が、一番奥で留まった。
一拍置いて、白濁液が噴出する。
「あぁ……っ!」
ジュリアスの射精を受けながら、フラウも断続的に二度目を噴き上げた。
荒い息をつきながらしばらく折り重なっていた二人だが……先にフラウが、身を起こした。
「……ありがとうございました」
けだるげに突っ伏したままのジュリアスへ、フラウは囁く。
「これでもう、明日の事は何も怖くはありません」