アドレナMAX!-11
「・・・誰が言ったんですか・・・?!」
「いや、早貴だよ。覚えてないなんて無いだろ」
「嘘っ、マジですか?え、えっと、あっ、あぁああああ!やっちゃったんだ?!」
急に早貴が手をばたばたと振り出して暴れ始めた。
何だろうこの反応は?自分から告白しておいて、知らん顔でもしているつもりか。
まず水を飲ませ、服を着せてから背中を撫でたり、頭を撫でたりして落ち着かせてやった。
パニックだった早貴はようやくまともに喋れる様になり、静かに口を開いた。
「私、こないだの写真集撮影の時もそうだったんですけど、撮影が終わったら、物凄い興奮しちゃって・・・」
「どんな状態だったんだ」
「なんか、もう、途中から、頭がぼーっとしちゃって」
何たる事だ。
ずっと傍にいて、早貴の異変に気付かなかったとは。
言われてみればあの時、やけに息が荒かった様な・・・そして今回も、だ。
「あのっ、それで私」
早貴はオレの右手を両手で握ってきた。
何を言うのか分からないが、覚悟して聞く必要がありそうだ。
「・・・お、オナニーが、止まらなく、なっちゃって・・・」
思わず言葉を失ってしまった。
カメラの前だから興奮してしまったのか?
だから、撮影が終わってから誰にも会わずに部屋に籠もってしまったのか。
そこで、ひとりあそびをしてしまっていた訳だな。
「その時と今回だけですよ!!それから他のお仕事でカメラが回ってても、何とも無かったですから!!」
「わ、分かったから落ち着け、早貴」
興奮して食って掛かる早貴を宥めた。
成る程、写真集の撮影の時だけそうなったって訳か。
「その時に突然なったのか」
「はい。もうどうしていいか分からなくて。だから、また写真集って聞いて、怖くなったんです」
今まで担当してきたタレントやアイドルから、性に関する相談は多々あった。
スタッフの女の子の落とし方や、ファンにばれない付き合い方など・・・
だけど、写真集の撮影で興奮したというのは初めてだ。
よく悩んだりもするが仕事に対して真剣に向き合う真面目な早貴に、そんな性癖があったとは。
「だから、またおかしくなったらどうしようって思ったけど・・・でも、迷惑はかけられないですから」
瞳を潤ませて、声を震わせている早貴。
こんな事、言えないよな。女のマネージャーでも打ち明けづらいのに、男なら尚更無理だ。
「あんまり覚えてないんですけど、私、興奮しちゃうと、何でも隠さず言っちゃうんだと思うんです」
曖昧な言い方なので、確かに記憶が無いのかもしれない。
あれは本音をぶちまけている感じだった。
そしてセックスも激しかったので、興奮すると理性が無くなるらしい。