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夢幻の杜
【ファンタジー 官能小説】

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夢幻の杜-7

「そっか、男の人も舐めたら気持ちいいのね…」
「ん?」
「ううん、何でも――ないっ!!」
「う、うわっ!?」
突然、私に押されて倒れたカランの身体。
何の受け身も抵抗もできずに、ただ目を見開いてこっちを見上げてる。
「あの…、アクア?」
「――さて、お返しの時間です!」
…チュッ…
「あっ!ちょっ、ちょっとアクア!!何を…うぁ…」固く雄々しく反り返るカランのそれに、私はそっと口づけた。
たったそれだけなのに、ピクリと震える熱の塊。
「アク…ア。そんなこと…したこと…ないだろ…」
えぇ、もちろん。
でも、いいの。
カランが私にくれたように、今度は、私がカランを気持ち良くしたい。
…ただその一心だけで、私は思いつく限りのことをしていく。
口づけた先端とは今度は逆に、浮き出た血管に沿って根本から舌を這わせて。
プクリと膨れ上がった透明な液が零れ落ちる、その前に。
――パクリッ
「ぅ…あぁっ!」
「ふぅ…ん。んん…ん!」
あぁ、私の口の中で、カランのそれが熱く震える。
聞こえる荒い息づかい。
「…んぷぅ、カ、カラン!苦しい?」
切なそうに眉根を寄せるその様子が、ちょっと不安になる。
「ち、違う…!気持ち良くて…あぁ…」
ビクリと、カランの腰が揺れた。
…そうなんだ。
良かった。
もっと、もっと気持ち良くなってほしい。
「ア、アクア!これ以上は…!」
「えっ?――きゃあっ!」

気が付けば形勢は逆転で、私は再びカランの腕の中にいた。
「カ…ラン?」
うっすらと額に浮かぶ汗。
熱を帯びた瞳。
「ごめん、アクア。…もう我慢できない…アクアと、ひとつになりたい」
「――うん…!きて、カラン。私も、カランとひとつになりたい」

『――姫様、初めては多少の痛みが伴いますが、決して取り乱したりはなさいませぬよう…』
そうだね、ロータス。
迂闊な猿の私を心配して、あなたはよくこう言ってたね。
「アクア…辛かったら止めるから言って。無理はさせたくないから…」
「言わないよ」
「アクア?」
「――痛くても辛くても、いいの。私は、それでもあなたが欲しい」
…ほらロータス、心配いらないでしょ?
カランが、嬉しそうに笑った。

――ヌプ…プ…
「あ、あぁ…ん!」
「く…ぁ…っ」
入ってくる。
カランの大きくて熱い塊。
「――いっ痛!」
「アクア…」
心配そうに私を見下ろすカランの視線。
「だ、大丈夫だから!…止めないで…」
だって。
私たちに『この次』はないのだから。
突然に迷い込んだ、夢か現か見知らぬ世界。
『カラン』という名前以外は何も知らないあなた。
それでも――あなたの髪も指も声も…全てが愛しいから。
忘れたくない、この熱を。
目が覚めた時、きっと隣にあなたはいないけど…覚えておくの。
この、切なく揺れる淡いグリーンの瞳を。


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