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『再びの夢七夕』
【ファンタジー 官能小説】

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『再びの夢七夕』-2

1.1%の私の解放





 幼稚園の側を通りかかったとき子どもたちがみんなで、七夕飾りを作っているのを目にしました。

 今年も七夕祭りの日が近づいてきているのを、ひしひしと感じました。

 そして私を非日常の夢世界へと誘ってくれる二度目の夢七夕も、もう目前に迫ってきているのです。

 七夕の前日を去年もハラハラドキドキして迎えましたが、今年はなお一層ハラハラドキドキが募っておりこれからその日まで、私は眠れぬ日々を過ごしそうな気がしています。





 私はいわゆるアラフォーの専業主婦で、近年は子どもたち2人それほど手がかからなくなってきて少しは自分の時間を持てるようになってきたのですが、そうすると結婚後ずっと眠っていた私の中のたった1%の私が、ムクムクと頭をもたげてきたのです。

 1%の私とは、Mとしての私です。

 結婚前、私はMとしてあるSの方の調教を受けていたことがあります。

 だらだらと続いていた私たちのSMの関係は、その人の海外転勤を機にすっぱりと切れました。

 そして私はその後知り合った今の主人と結婚し、そのとき以来SMの世界とは決別していたのです。

 先ほど云いましたように結婚前からMとしての私は、私の中で1%を占める程度のものだったので、結婚後すぐ子どもが生まれ家事や子育てに追われるようになると、99%の私がフルに活動してもなかなか追いつかない状況になってしまい、たった1%のMとしての私には、まったく出番がなくなってしまっていました。



 ところが99%の私がフルに稼働しなくてもよくなり、少し自分の時間がもてるようになると、それまで身を潜めていた1%の私が自己主張を始め、

「99%の貴女は妻であり母である貴女だけど、女のとしての貴女ではないわ。でも貴女は妻であり母であるけれども女でもあるのよ。Mとしての貴女は女としての貴女よ。そう女であるがゆえにSの人に牝奴隷として扱ってもらいたがっているMとしての貴女こそ、女としての貴女なのよ」

と、常に心の中で私に囁き続けるようになったのです。

 この囁きを心の中で聞くようになってから、私はパソコンを開いてSMのサイトをのぞき、刺激を受けて自分が牝奴隷として扱われ調教されている状況を妄想し、激しく興奮するようになりました。

 そしてやがてそれだけではあきたらなくなり、ついにSMの交際相手募集のサイトの掲示板に、

「私の中で私の1%の部分を占めるMとしての私が近頃蠢いてやまず、私を牝奴隷になれと唆します。

 でも私は残りの99%の私と折り合うことができなければ、その1%のMとしての私を開放することができません。どなたかそれを実現してくださるSの方はいらっしゃいませんでしょうか?」

と書き込みをしました。

 やがて、それに応募してくださった方の内のお一人としばらくメール交換をして、誠実な受け答えをしてくださったことで心を許し、率直にいろいろと語り合うようになりました。

 でも会って調教を受けるにはまだまだためらいがあり、なかなか踏み切ることができませんでした。

 そんな状況を急転回させたのが、その方のお言葉だったのです。






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