フェイスマン-6
「・・・あの、昨日は、窓を壊してしまい、申し訳ありませんでした」
「・・・・・・えっ?」
「生憎今はこれしか持ち合わせが無いもので、都合がついたら必ず全額払います」
そして、そういうと店員は皺だらけのくたびれた千円札を三枚手渡してきた。
呆然としている私に深く頭を下げて、足早にコンビニに戻っていった。
「・・・今の人、何?」
「どんな話してたの?」
加奈と愛佳に見付からない様に、三枚の千円札を両手で包む。
「・・・・・・窓ガラス」
「は、ガラスって?」
自分を助けてくれる人は、遠い存在なんかじゃなくて−
案外、身の回りにいるのかもしれない。
〜〜おしまい〜〜