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フェイスマン
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フェイスマン-5

〜〜〜〜〜〜


「おっはよー!」

並んで登校していた加奈と愛佳の肩を叩いた。

「あ、おはよ環。びっくりしたぁ」
「朝から声おっきいよー」
「そう?普通だと思うけど」

朝から清々しい気分だ。
昨日までしつこく居座っていた憂鬱さは全く感じず、生まれ変わったみたいにいい気持ちだった。

「そうだよね、寧ろ戻ったって感じ」
「最近元気無いから心配してたんだよ。もう大丈夫なの?」
「・・・うん、色々あったけど、もう平気。心配かけちゃってごめんね」

これも、あの全身白いタイツの人のおかげだ。
最初に見た時は変質者あらわるなんて思ったけど、あの化け物をやっつけてくれたんだから。

思えば急に憂鬱になったのっていつからだろう。
いつの間にか・・・そうだ、全く自覚が無かった。じゃあ、またその怪物に取り憑かれても直ぐには分からないんだ。
もしそうなってしまったら、また私を助けに来てくれるだろうか・・・?

あの人は何処に行っちゃったんだろう。今も何処かで、その怪物と闘っているのかもしれない。
・・・こんな事を言うのはあれだけど、割った窓ガラスはきちんと弁償してほしいな。

それに、体に結構刺さってたけど大丈夫だったのかな?血もどくどく出てたけど・・・
放課後、私達は話をしながらあのコンビニの近くを通った。

「うわー、いるよあの店員。うざったいねあの笑顔」

口が動いているのを見てると、挨拶が外まで聞こえてきそうな気がした。
・・・そういえばあの人、昨日変な事言ってたっけ。取り憑かれただとか、何とか。

(・・・まさか、そんな)

一瞬、まさかと思ったけど、そんな訳は無いかと思い直す。
同じ様な言葉を口にしただけであの人と店員を同じ人だと思うのは、我ながら浅はかだ。
大体、あの人は空を飛んでたし、不思議な光を手から出してたし、普通の人間じゃないだろう。

「やばっ、あの人こっち見てるよ。何で外なんか・・・」
「うわっコンビニ出た。こっちに来るよ!」

すると、その店員がつかつかと早足でこちらにやってくる。
一体何の用事なのよ、気持ち悪い。早く逃げなくちゃ。

「待ってください!」

しかし呼び止められて思わず足を止めてしまった。
つられて加奈と愛佳も立ち止まっている。


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