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みだ★ゆめ
【ファンタジー 官能小説】

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4・バカなんて大キライ-2

「リリス、起きてるか?」


枕元に置いてある箱を手に取り、蓋を開けた。

『ばかっ!!』
「あだッ?!」

出会い頭にリリスに頭突きをかまされ、その場に尻餅をついてしまう。

『いつもいつもいつも、帰りが遅い!ばか、ばかっ!隆一のばかっ!!』
「な、何すんだよ、やめろ。痛いって!」

俺に馬乗りになってぽかぽか叩いてくる。
その姿はまるで帰りの遅い父親に悪態をついている子供みたいだった。
こっちの都合も知らないで喚いているところが、まさしく子供の行動だ。
ラウムの言葉もあり、最初は機嫌が良かった俺も、度が過ぎているリリスに対して憤りを感じて・・・

「仕方ねえだろ、人間にはやらなくちゃならん事があるんだ。お前には分からないだろうがな!」
『はあ?何それ、馬鹿にしてるの。知らないよそんなの!』
「ほら、だからお前はまだ子供なんだ」

すると、急にリリスが黙ってしまった。
そのまま箱に入ってしまい、堅く閉ざしてしまう。

「お、おい、出てこい!話はまだ終わってねえぞ!」

いくら声を荒げようとリリスは一切返事しなかった。
・・・さすがに、お前には分からないなんて言い過ぎたか。

『・・・隆一、考え過ぎなくていいよ』

ぽん、とラウムに肩を叩かれた。
小さいカラスの羽根がなぜか今は大きく感じる。

『リリス、人見知りするくせに寂しがったりするから、ちょっと難しいんだよ。おれもよく手を焼かされてるんだ』

矛盾する感情があるのは人間も同じだな。
俺も、セフレなんて思いながらリリスが気になっている。
顔立ちはガキで、体だけは妙に育っていて、口を開けば我が儘ばっかり。
恥ずかしがってたのも出会ってせいぜい10日位で、あとは本性を露にして俺から毎日精液を搾り取り続ける。
これは俺がスケベだったせいでサキュバスの本能を引き出したらしいから、違うか?

俺はまだまだリリスの事を知らない。
ここで喧嘩なんかしたって、お互いの為にならないじゃないか。


「リリス・・・」


もう一度、箱の中にいるリリスに話し掛けた。
当然返事は無かったが、諦めずに話を続ける。

「・・・すまん、言い過ぎた。大人気なかったよな」

やはり返事は無い。
リリスの気持ちも考えずに何て事を口にしたんだ。
いくら連日の疲労が溜まっているとはいえ、それをリリスにぶつけてしまってどうする。

俺の方こそ子供じゃないか。
自分の都合しか頭に無いのは、間違いなく俺だ。

・・・リリス、嫌だよ。
また沢山我が儘言って困らせてくれ。
いや、やっぱりちょっと位でいいから、箱からひょっこり顔を出してほしい。


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