投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

みだ★ゆめ
【ファンタジー 官能小説】

みだ★ゆめの最初へ みだ★ゆめ 21 みだ★ゆめ 23 みだ★ゆめの最後へ

4・バカなんて大キライ-1

最近、忙しくて帰るのが遅い。
なるべく早く切り上げる様にしてるんだが、なかなかうまくいかない。
家に着く頃は辺りが静まり返っていて、ドアを開けるのが怖かった。

今日もあいつはへそ曲げてるだろうな。

「ただいま・・・」

ドアをゆっくり開けて、物音を立てない様に靴を脱いだ。

『お帰り隆一・・・ふあああ・・・』

ラウムがふよふよとこちらに飛んでくる。
だが目は殆ど閉じかけていて、一応飛んでいるが高度が下がり続けていた。

「ただいま。リリスはもう寝てるか?」
『ずっと寝てたよ。今日はまだ起きてる姿を見てない』
「・・・そっか。あいつは気楽でいいな」
『リリスは我が儘だよ。隆一にも都合があるのに、もっとしたいっていつも言ってる』

ラウムにも言ってるのか、リリスの奴。
ここ1週間は全くベッドではしてないから、文句を言うのは仕方ないけど・・・
でも、人の夢に入り込んでしっかり吸い取ってるくせして、満足してないのか。

「・・・なあ、サキュバスにとって人間の雄ってなんなんだ?」
『いきなり何でそんな事を聞くの。めずらしいね』
「リリスは自分の事を優先するから、俺をどんな風に見てるのか気になって」
『サキュバスにとっては生きる為に必要な存在、かな。おれの考えだけど』
「つまり、人間にとっての食糧と変わんないのか・・・」

ラウムの口から聞いてしまうと、思った以上にへこむな。

『そんな事無い。隆一は疲れてるんだよ、変な風に考えすぎだって』
「悪いな・・・お前にまた気を遣わせちまって」
『・・・リリスね、隆一の事、悪く思ってないかもよ』
「え、あいつが?」
『だって嬉しそうだよ、隆一が帰ってくるの待ってるんだ。いつもそわそわしてるから』

そんな素振り、俺の前で一度だって見せた事があったか?
朝も名残惜しそうな感じはあるが、いつもさっさと箱に入って寝ちまうからな・・・

「サキュバスと人間が恋人になった、なんてのはあるのか?」
『うん、よくある。種族は違うけど死神とかも人間と結ばれたりするらしいよ』

じゃあ俺とリリスも恋人に・・・・・

いや、よく考えろ。相手は人間じゃないんだぞ。
いくらしばらくパートナーがいなかったからって、偶然拾ったセフレみたいな奴と・・・

同じ場所で暮らしてはいるが、一緒に外食した事なんて無い。
デートらしきものもまだだし、ただエッチしてるだけだからセフレだろう。

(・・・俺、リリスのエッチしてる時の姿しか知らない)

今度の休みに誘ってみようかな。
いつもあいつからだったけど、たまには俺から言ってみるのもいいかもしれない。



みだ★ゆめの最初へ みだ★ゆめ 21 みだ★ゆめ 23 みだ★ゆめの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前