初夏のすれ違い / ココロ編-6
…ウソ!信じられない!
なぜか、一気に冷めた…これは何?
この気持ちは…
あまりに溢れ出たその感情に、思わず悲鳴をあげちゃった…
『はぁっはぁ…
あー、気持ちよかった!
…な!?』
「あ…う、うん…」
『スッキリしたー、これでよく眠れるな、うん!
あ、あ〜こ、オレ、あと3日で帰るから』
「え…あ…」
『じゃ、母さん達にもヨロシクな〜、そんじゃ、おやすみ〜』
…ツー、ツー、ツー
え、え、えぇ〜?
電話、切れたし!
お兄ちゃん、切ったし!
今まだ、あたしのカッコ、めっちゃ間抜けなんですけど!
あたし、イッ・て・な・い・んですけど!
…んもう。
なんか、あたし都合良く使われてない?
この間、お兄ちゃんとシた時も、イけないまま、部屋に帰ったんだった。
もしかして…あたし、お兄ちゃんに感じなくなってきてる…?
そう思うと、胸の奥が冷たく冷えた。
この感覚、さっきも…?
なんだったの、あれは。
ものすごい…嫌悪感?
なんでだっけ…?
記憶を辿る。
…―「亜紀子っ、…オレのモンだっ…!」
「…っ!」
お兄ちゃんの最後の声。
思い出して、ぞわりと震える。
でも、なんで…?
…―「お前は一生俺のモンだっ…片桐ぃっ…!」
「…ぁ!
…っく!」
続いて脳内に再生されたのは…サクの声…。
ぴく、とカラダが反応する。
そうだ、さっきサクにも言われたんだ…。
モテモテ!…なんて、喜んでる場合じゃないか。
サクには、あの時も言われたっけ。
…三池くん達に囲まれて、そこから助けてもらった時。
ぐっと手を引いて、「コイツは俺のモン」って…。
あ…やだ、また…アソコが熱くっ…!
挿したままのバイブが、勝手にぐにっと動いた。
…ずずっ
「…っはぁん!」
手を伸ばして、またバイブを動かす。
ちょっと乾き始めちゃったから、最初はゆっくり…。
…―「アニキとヤッて…
オモチャもあって…まだ、足りないんだろっ!」
違うの…サク!
ごめんなさい…怒らないで!
オモチャは、サクの代わりなの。
お兄ちゃんじゃ、気持ち良くないの。
欲しいのは…お兄ちゃんの長いのよりも、サクの太いモノ…。
ほら、今、思い出して、ぐちゅぐちゅしてるんだよ?
今日のことを、思い出して…