「肉体の悪魔」-4
「勝手にしろ!」
そう言い捨てると乱暴にドアを開け部屋を出ていく。
「あっ…!」
舞が追いたそうな素振りを見せたが、音を立ててドアが閉まった。
「ねぇ、舞ちゃん?」
橘の呼びかけに顔を戻す。
「キモチイイことしようか?」
そのまま尻たぶを撫で回され、舞は自分が裸のまま橘に抱かれていたことにようやく気付いた。
「きゃっ!」
慌てて躯を退かそうとするがもう遅い。
「大丈夫。明るい中で、昨日の晩よりももっと可愛がってあげるから」
そうして舞の弱いところを刺激してやると、その強い快楽に舞の躯からは見る見る力が抜けていった。
─肉欲を満たすのは実に容易だ。喩え、心が伴わなくても。
橘は皮肉に笑った。