「肉体の悪魔」-2
「あぁっ!いやっ!」
淫具でグリグリと胎内をこね回され、脚を大きく開かされていた舞は直に強い刺激を受け止めることとなる。
「いや?イヤなら何でこんなに濡らしてんだ?」
淫具をくわえ込むため、舞の躯は更に多くの蜜を分泌していた。
「あぁっ!ダメっ、赦して…」
どこで、そんな媚び方を覚えてきたのだろうか。
ガクガクと痙攣するその躯が舞の絶頂が近いことを知らせていた。
「あっ、あっ、あぁっ!」
絶叫とともに舞の脚が机から落ちる。そのまま、崩れ落ちた躯は絶頂の深さを示すかのようにビクビクと震え続けていた。
その躯を抱え込むようにして楼主は囁く。
「肉欲に溺れるほど簡単で甘美な毒はない。ほら?おまえの躯もそう答えているだろう?」
そうして再び芽を擦ってやると舞は大きく躯を跳ね上げ2度目の絶頂を迎えた。
─肉欲を満たすのは容易だ。しかし、それに心が伴うことは少ない。
この街にいるなら尚更。
指を動かす度に絶頂を繰り返す舞に楼主は思った。
「なぁ、オマエ好きな男がいるんだろう?」
─橘か、九木か。それとも学校の誰かか。
舞の周囲にいる全ての男が疎ましく感じる。
しかし、この街にいる限り舞が互いに心の通った性行為をすることはないだろう。
それだけが楼主の救いだった。
「ほら、イクならイクってちゃんと言えよ」
だが─、
「あっ、あっ、あ!イクっ!イきます!あぁんっ!」
それは同時に舞と自分が繋がることがないと言うことを、楼主は痛いほどに知っていた。
「……見てたんだろ?入って来いよ」
不意に楼主が入り口に声を掛けた。
部屋に現れたのは橘である。
「あ、やっぱバレてた?」
つかつかと部屋の奥まで入ってくると、橘は机に腰を掛けた。
「お前のパターンはもう読めている」
うんざりしたように楼主が呟く。
「相変わらずツレないねぇ」
そう言うと橘は床で気を失っている舞を抱えた。
「優しくしてあげればいいのに」
その言葉に楼主のこめかみがピクリと動く。
「大事な“商品”なんでしょ?お得意の手練手管でも使っていつものように虜にしちゃえばいいじゃない」
不思議そうに橘は首を傾げた。