2・キノウの怖さが消ユ-5
『じゃ、また閉じて』
「いや、駄目だ。ちゃんと見ながらやるんだ」
『それは無理だってばー。お願い、ちゃんと閉じててよ』
「お前こそ、やる時はちゃんと相手を見るんだ。そうじゃないと2人でしてる意味が無い」
『う・・・それ、ラウムにも言われた!2回も聞きたくない』
・・・あいつも同じ事を教えてたのか。じゃあやっぱり重要なんだな。
「さあ、リリス。続けるんだ、まだ始まったばっかりだぞ、休まないでどんどん来い」
リリスは返事をせず、俺に体を寄せてきた。
最初は俯いてちゃんと見ていなかったが、俺のシャツに触れてようやく見つめてきた。
ゆっくり、だが少しずつ確実にシャツを捲り、脱がそうとしている。
鼻息が荒く真っ赤な顔をしているが、そんなに緊張していては俺にも伝染しそうだ。
まだ祿に愛撫されていないが早くも股間が熱くなり始めた。
期待しすぎだと思うが意思に反して・・・
脱がされて裸になった。これでリリスとお揃いだな。
自分ではそんなに色黒じゃないと思っていたが、リリスと比べると大分黒い。
白くて細長い指が胸板をなぞり、乳首に触れる。
しかしそこで動きが止まってしまった。やれやれ、まだ恥ずかしいのか。
せっかくその気になったと思ったのにもどかしい。
「どうした、なんで手を止めるんだ」
『こ、これ以上は・・・だめ・・・』
「そうか。どうしても出来ないか?」
リリスはこくん、と頷いて胸板から手を離してしまった。
力なくシーツの上に落ちたその手がいつも以上に小さく見えた。
とにかく受け身な姿勢が好きな男もいるだろうが、俺はもっと向こうからしてくれた方がいい。
仕方ないな、今日も俺がやるのか。いつまでも臆病なままで、一体いつ一人前になれるんだろう。
でもやるのは好きだからいいとしようか。
『あ・・・っ』
リリスを後ろから抱き寄せて、胸を掴んだ。
あまり声は出さないがここを触ると、肩の強張りが他の部分よりも強い。
ここがリリスの感じやすい場所だろう。
「・・・息が早いぞ。気持ちいいんだろ?」
『ち、ちがう。痛いの、もっと優しくしてよぉ・・・』
最近はこの嫌々やってる態度が寧ろ可愛く思えてきた。
自分からやるのはまだ無理でも、せめてもうちょっと笑ってくれたりしたら、とは思う。
でも嘘っぽい笑い方もどうかと思うし、やっぱりリリスはまだこのままの方がいいのだろうか。
『ふぁ・・・ん、ぅぅ・・・ぁ・・・ッ!』
人差し指と薬指で乳首を挟んで、間の中指でクリクリと転がす。
ここは下の口と同じで敏感に反応して、嘘がつけない場所だ。
リリスは痛いとか優しくだとかやたらと繰り返すが、それは俺にとって単なる建前でしか無い。