魔神探偵〜過去・回想編〜-3
その後、彼は何事も無かったかのように生活を送っている。記憶はなく、犯人宅のドアの前からプッツリと切れているみたいだった。
全快した父から話を聞いた所では、真神には特殊な力があり、それが表に出たのだと言った。あの時に見せた技も、彼の父に幼い頃教わったモノのようである。父の話では、真神の特殊な力『鬼門』を開ける人間は、真神の血が薄くなった今では珍しいとのこと……。実際、その知識も彼の父から教わったので、詳しいことは調べないとわからないと言われた。でも、そんな事は関係ない。私は……彼に救われてしまったから……。
「舞奈さ〜ん」
「ん?何、誓司」
「俺、探偵になりたい」
「はぁ?正気?」
「大マジ!」
俺は探偵のそばにいたから舞奈さんを助ける事が出来た。ならば、もっと腕を磨けば、たくさんの人を助ける事が出来るから。
「俺は……」
探偵になる……。
END