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それは投稿小説を読んだ事から始まった。
【青春 恋愛小説】

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今までで最も長い二日間2-1

家に帰ってすぐに、ベッドの上で横になった。それから、唯に言われた事を考えてみた。しかし、考えはまとまらなかった。私は携帯を手に取り、結花さんに電話をかけた。
「ハイ」
「あっ由貴です。」
「どうしたの?由貴ちゃん。」
「相談したい事があって....これから会えますか?」
「別にかまわないよ。どうする?私がそっち行こうか?それとも由貴ちゃんがこっちに来る?」
「そっちに行きます。」
「じゃぁ待ってるね。」
「すみません。」
私は電話を切り、結花さんの家へ向かった。多分唯から話を聞いているのだろう。結花さんは何も聞かなかった。結花さんの家に着き、インターホンを押すと、唯が顔を出した。私の顔を見ると、
「結花姉ちゃんが待ってるよ。」
私が何も言ってないのに、結花さんに会いに来た事を知っているという事は、唯はさっきの事を結花さんに話していたのだろう。結花さんの部屋の前に着くと、
「アタシは自分の部屋に居るね。」
唯はそう言って自分の部屋に入って行った。
「ゴメンね唯。」
私は唯に声をかけて結花さんの部屋のドアをノックした。
「ハイ」
中から結花さんの声がした。
「由貴です。」
「待ってたよ由貴ちゃん。入って。」
「ハイ、ありがとうございます。」
私が部屋に入ると、
「座って由貴ちゃん。」
結花さんは笑顔で私に言ってくれた。私は結花さんの隣に座った。
「でっ相談したい事って何?」
「唯から聞いていると思うけど.....」
私がそう言いかけた時、
「やっぱりその事か...」
「えっ?やっぱりって?」
「さっき唯から話を聞いた時、由貴ちゃんだったら悩んでいるんじゃないかなぁって思ってたから.....」
「そうなんですか....」
私は苦笑するしかなかった。結花さんにはかなわない。そう思うと同時に、結花さんは私の事をわかっていてくれる。そんな安心感も感じた。
「由貴ちゃんは彼の事どう思っているの?」
「どうって....」
「別に今言いたくなかったら言わなくいいけど...」
私は結花さんの顔を見た。結花さんは優しい笑顔を浮かべて、
「ただ自分に正直になって考えてね!」
「それはわかっているんだけど....自分でもよくわからなくて.....」
「わからないって....自分の気持ちが?」
「ハイ.....今まで彼の事そういうふうに考えた事無いから....」
「じゃあ、私が言う事考えてみて!別に返事はしなくてもいいから.....」
私は頷いた。
「彼の話を聞いた時どう思った?」
「唯に彼の事を話した時、唯が言った事をどう思った?」
「彼の恋人になっている自分を想像出来る?」
幾つかそんな質問を自分自身に問いかけた。
「彼の告白への答えは由貴ちゃん自身で決める事だけど.....その時忘れてしまってはいけないのは、その答えを出した自分を他の人はどう思うかなんて気にしない事よ!」
「えっ?」
「例えばあんないい人をフルなんてどうかしているなんて思われたくないからとか、彼に悪いからとか、他の人を気にして自分の気持ちを殺さないでって事!」
それは自分でもわかっているつもりだった.....
「由貴ちゃんは優し過ぎる所があるから.....」
心配そうに言った後、
「唯の言った通りで無視するのも一つの答えだけど....返事をするなら早いほうがいいわよ!」
「えっ?」
「だって....後になればなる程断りづらくなるでしょう?」
「うん.....」
「ゴメンね!こんな事しか言ってあげられなくて.....」
結花さんは申し訳なさそうに言った。
「ううん!ありがとうございます。」
答えが出た訳ではなかった。答えは自分自身で出さなければならない。その事を再確認出来ただけでも良かったような気がした。私は結花さんにお礼を言って、唯に一声かけて家に帰った。



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