異界幻想ゼヴ・エザカール-21
「それじゃ……」
ぺろりと自分の唇を舐めてから、フラウは深花の中に指を差し込んだ。
熱く潤った秘肉は、侵入した異物をきつく締め上げる。
「んっ……！」
小さい声とともに、深花の全身が痙攣した。
ジュリアスが過保護に構う理由が、ますます理解できてしまう。
初々しく、可愛らしい。
みずみずしい肉体とセットで堪能すれば、つい世話を焼きたくなるのも頷けた。
「あっ……んぁ、あっ」
指先で内壁を探りながら、フラウは肉棒を刺激して復活を促す。
外見も精神も女寄りであまり男としての自分を意識した事はないのだが、今は焦りにも似た気分で自らを扱いていた。
努力が実って男根が力を取り戻すと、フラウは指を引き抜いた。
代わりに再起した怒張で、深花を貫く。
「ひあっ……！？」
驚いた声を出す深花に笑いかけ、フラウは腰を使い始める。
男ほど激しくも力強くもないが、ツボを心得た抽送だ。
「あっ……あぁ、んん……！」
喘ぎながらも、深花は目の前で揺れるフラウの乳房に目が釘付けになる。
思わず掴んで、先端を口に含んだ。
「あっ……はっ……！」
夢中で吸い付くと、フラウの唇から艶めかしい声が漏れる。
深花が乳房を愛撫している間、フラウは腰を前後ではなく回転させて快感を貪る。
「っ……ぁあっ！」
尻に手が回ったかと思うと、フラウの女の部分に深花の指が這い始めた。
そこの形は、普通の女と変わらない。
ぬめる淫唇を掻き分け、先端の突起まで指が行き着く。
「くぅ……！あ、ああ……！」
優しく捏ね回されれば、男と女の快感が同時に身を貫く事になる。
「ち、ちょっと待って……！」
リードしているつもりがいつの間にかリードされているうえに自分が先に達してしまいそうなので、フラウは慌てて深花を止めた。
声をかけられた深花は素直に愛撫を止めるが、不思議そうな顔でフラウを見上げてきた。
「な……何か気に入らない事がありました？」
「良すぎるのよ」
言ってフラウは、ゆっくり腰を使い始める。
「先にイかされるのも、癪だしね……」
その一言でフラウの状態を察した深花は主導権を譲って目をつぶり、快楽を貪る方に集中する。
「んっ……ああっ……フラウ、さぁん……！」
一ストロークごとに激しくなる締め付けは、深花の限界を知らせる。
フラウ自身も、体の内から溢れ出てくる感覚に身を委ねてしまいたかった。
「いいっ、あっ、あっ……んあああああっ！」
一声叫んだ深花の全身が、激しく痙攣した。
絞り上げる感触に耐えられず、フラウも爆発する。
一滴残さず出し尽くすと、肉棒を引き抜いた。
「あ……」
放たれた精液が体の奥から流れ出すのを感じながら、深花は意識を手放した。
フラウの部屋でしばらく休憩してから、深花は部屋を辞した。
自室に向かって歩きながら、軍曹が新兵を訓練している場の横を通り過ぎる。
深花に気づいた軍曹が姿勢を正し、新兵に敬礼するよう怒鳴り付ける。
どう考えてもこの軍曹より深花の方がキャリアは浅いのだが、上官は上官という事らしい。
まだぎこちない新兵の敬礼にティトーとジュリアスから仕込まれた見事な敬礼を返すと、軍曹の目に感心の色が浮かんだ。
深花が綺麗な敬礼を返したのは、軍曹にとって予想外だったようだ。