けんぽなし〜ニゲル〜-7
「ところで、お前、耕太郎に告ったのか?」
空、ゲームの電源を落とすと私の方へ向き直った。
ドキッー
「な、な、何よっ空に関係ないでしょー!!」
「……まぁな…その貧乳じゃ耕太郎もかわいそうか…」
「さっ!!さいてーーっ!!」
私、体操座りで…何となく胸を隠す…
「だってお前、耕太郎の歴代彼女、みんな爆乳だぞ、物足りないだろーお前の貧乳じゃ」
「ほんっと、さいてーーーっ!!耕太郎はそんな事しないもん!!」
「はぁ!?あほかよっどんだけガキだよっ」
「なっ−…空なんて大っきらい!!」
私、思わず立ち上がる。
「あのなーっ男なんてみんな同じだよっ」
「耕太郎は違う!!」
ー!?…
ドサッー
突然、腕を掴まれた…と、同時に…
ベッドへ…
倒された…
両手を押さえられ、空が体に乗ってるせいで身動きがとれない…
「…空……?」
「耕太郎だけは…?何だよそれ…ばっかじゃねーの」
「…や…空……」
ー…っ痛…
空の手に力が入る。
「ばっかじゃねーの…ブッ壊してやるよっ、ブッ壊してやる!!」
空の息が耳にかかる…
ーや…やだ…
「ぃやぁーーーーー!!」
空の熱い息が耳元から首筋に移り…
恐怖で…
言葉を失い…
目を閉じた…
空の手が緩み、体が離れたかと思うと、Tシャツがずりあげられ、胸元に空の顔がうずめられた…
「…ゃっ…っ…」
ーやーーーーっ!!
体が…動かない…
ガチャッー
「何やってんだよ!!」
太一だ…
太一が空を私から引き離す…
私…震える体を押さえながら、Tシャツを元に戻すと、太一の部屋から逃げ出した…
ーやだ…やだやだやだやだ…
太一の家が見えなくなったとたん、私は力を無くし、その場に座り込んでしまった…
ー怖い…怖い怖い…
押さえ込んでも、押さえ込んでも震える体…
その日から、私は、太一の家へ行けなくなった…
そうして、夏が終わって行く。
夏休みが、過ぎて行く…