けんぽなし〜ニゲル〜-2
「…歩もちゃんと仲間だよ」
そう言って、耕太郎が私の頭にポンと手をのせるから…
溜まっていた涙がこぼれ落ちた。
「んー…でもさー探すっていってもどこ探す?」
砦の言葉で現実感が戻ってくる…
ーそうだ、泣いてる場合じゃない!!綾と透蒔探さなきゃ…
私、涙を押し込めてどんぐりを握った。
「とりあえず、街と駅周辺うろつくか…」
耕太郎、私の頭に手を置いたままそう言った。
ドキンードキンー…
今更だけど、この状況…
ちょっと…
ちょっと…
ードキドキするんですがーーーー…
それから、私達はゲームセンターとか駅とか…
とにかく私達が思い当たる所をさまよい…
ただ…時間だけが過ぎていった…
ー綾…透蒔…
その時、耕太郎の携帯がなった。
「おうっ、ん?いや……うん、うん……」
‘さくら’?…
ズキン…
いや……別れたって…
「分かった、ありがとな」
耕太郎、携帯をたたみ、ポケットへ押し込んでから私達へ向き直る。
「空から…」
ーえ…
「綾と透蒔の友達に当たったけど、いなくなったってことすら誰も知らなかったらしい…」
ーえ……空……
「…今日はとりあえず帰ろうか…遅くなるし…」
生暖かい風が私達を包み込む…
この蒸せかえる空の下、あの2人はどこにいるのだろうか…何から逃げて、
何を求めて、
どこに向かっているのだろうか…
翌朝になっても綾と透蒔は帰らず、双方の親が警察へと捜索願をだした…