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「完全犯罪@救急車」
【犯罪 推理小説】

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「完全犯罪@救急車」-3

「わたしとは・・」
先週のことを思い出した。
「たいてい、夜の9時頃ピンポンする。
わたしがドアを開けると、『会いたかった』って抱きつく」
ユウのこめかみがぴくぴくしている。
「わたしはたいていお風呂上りでパジャマを着ている。
彼は勝手に冷蔵庫からビールを取り出し
『可愛いアイちゃんに乾杯』ってわたしの頬に缶を当てる。
たとえば先週は、わたしの肩をベッドでマッサージしてくれて
そして、その後は・・そういうことになった。」
ユウはがたがた震えている。
「マッサージしてくれる?信じられない」
「してもらわないの?」
「とんでもないよ。そんなこと。
それで・・彼がいろんなこと、してくれるっていうの?」
「そう」
「アイの方が愛されていたみたい」
ユウの頬に涙が伝う。
「そんなことないよ。ユウの方が愛されてるよ。だって衣装の指定までして。
そんなこと一度もないもん。」
「可愛いなんて言われたことないもん。言うのは『なめろ』とか『もっと見せろ』と

そんなことばかり。」
ふたりとも傷ついていた。あまりに違うふたりとの付き合い方。
彼が呻いた。
「うぅぅ・・」

「そろそろかな。救急車呼んで」
ユウがスカートをはきながら言った。
「ちょうど手遅れの時間よ」


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