「賭けの代償」-2
「うん。次の動作に移る前に、客の顔を少し見るといい」
それから、楼主は舞に問うた。
「お前、自分の魅力…売りが何だか分かってるか?」
よく分からなかったが舞は、客に言われてきたことを答えてみた。
「おっぱいがおっきいところですか?」
だが、それは直ぐに否定されてしまう。
「違う。そんなのはこの街には掃いて捨てるほどいる。いいか、素人臭さだ」
それは、舞には意外な答えで、そして“売り”になるとは思えない部分であった。
そんな舞の衝撃を知ってか知らずか楼主は続ける。
「初々しさと言い換えてもいい。いいか、この街の姫たちは生まれてからずっと花を売ることを考えて生きてきている。だが、お前は違う。お前は街の外から来た。だから、良い意味でも悪い意味でもまだこの街に染まっていない」
楼主は、舞の頬に手を掛けた。
「勿論、こうして花を売っている以上はお前もプロだ。だが、この街の中でお前は限りなく素人に近い。それがお前の売りなんだ」
滑り降りてきた楼主の指が、前のボタンを探る。
「ストリップも同じだ。この街の姫なら、いくらでも淫らに、挑発的に脱ぐことが出来る」
プチン…
楼主の手により、ボタンが外されていく。
「客の中には、それを求めているものが多い。勿論、ここがそう言う街だからだ」
3つしかない前ボタンは、あっと言う間に外され、楼主は後ろに回り込むと、そこから手を差し込んで舞の胸をまさぐる。
「あっ…!」
直ぐに、突起を探り当てられて舞は恥ずかしそうに声を上げた。
「だが、男の中には“清純なものを汚したい”と言う欲望もある」
コリコリと突起を刺激されて俯いていた舞の顔に手を掛けると、楼主はクィッと持ち上げた。
「お前はまさにそれだ」
耳朶を噛むようにして楼主は囁く。
「だから、客はお前を買う。もっと汚して堕としたいと思う」
左手で胸の突起を刺激され、動かないように右手で顎を固定されたまま、耳に声を吹き込まれ、舞は腰をくねらした。
「この制服もそう。お前の飾り毛を落としているのも、お前を幼く、汚れなく見せるためだ」
胸をいじっていた手は、今度はねっとりとした動きで舞の下腹部を撫で回す。
そのまま、楼主は舞を大きな姿見の方を向かせる。