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七ノ森学園♂♀騒乱記 -咲けよ草花、春爛漫-
【性転換/フタナリ 官能小説】

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-続・咲けよ草花、春爛漫--9

4. レッツ・メイク・ラブ?

それは、週に二回ある部活の日だった。
新歓が落ち着いてすぐに、学校全体は五月半ばに迫る体育祭の準備にとりかかっている。それでも俺自身はすごく忙しいというわけではないので、いつも通り本を片手に部室に来ていた。
がらんとした部活にひとり、俺はパイプ椅子に腰かける。そして手にしていた本を開いた。
今日、部活に顔を出すのはおそらくは俺くらいだろうとぼんやり考える。
小日向と田平先輩は用事があって出られないと聞いた。御形先輩は相変わらず体育祭の実行委員会だ。聞けば蕪木も実行委員なのだというから、今頃は御形先輩達と一緒に委員会に出ていることだろう。
鈴代は週に二回のうちのどちらかしか来ないし、函部は――
「あ、ミハル先輩だぁ」
「函部」
部室の扉が開き、顔を出したのは函部だった。
彼女が部活に顔を出すかどうか考えていたところだったので、俺は少し驚いた。
「先輩、ひとり?」
「ああ。今日はあと鈴代が来るか来ないかだな」
函部はふうんと呟き、それから俺をじっと見つめる。
「な、何?」
「先輩、可愛いなぁって思って」
「ば、馬鹿言えよ。俺は男だって言ったろ? それこそ函部の方が全然可愛い――」
そう言って函部を見やると、彼女は口許に笑みを湛えて俺を見つめていた。
それはもう、じっと。
思わずどきり、と俺の胸が鳴る。
そういえば一番初めに会った時、告白されたんだっけ。それで、俺が男だということにかなりショックを受けて――けれども俺に対する函部の態度は、鈴代や蕪木に対するようなつんけんしたものではない。
俺ははぐらかすように言った。
「で、でも嫌われているんじゃなくてよかったよ」
「嫌われてる?」
扉の前に立ったまま、きょとんとした表情で俺の言葉を繰り返す函部。俺は肩を竦めた。
「ほら、この前……歓迎会の時にさ。何だか函部が俺のこと」
睨んでいたような気がして、という言葉は何となく誤魔化して言った。
函部は小さく首を横に振る。
「睨んでたわけじゃ、ないよ」
彼女の声が少し低くなった。
「え」
後ろ手に扉を閉め、鍵をかける函部。
妖しくその瞳が光った。
「は、函部?」
彼女はゆっくりと椅子に座っている俺の元まで歩いてくると、俺の手の中の本を取り上げる。それを机に置くと、函部はその細い指で俺の頬に触れてきた。
俺の輪郭をなぞる、指。
可愛い顔をしているくせに、その表情は大人のオンナという感じで。
ぞくりと背筋が震えた。

「先輩をどうやってオトすか……考えてたの」
ヤバいと思った時にはもう函部の唇は俺の唇に覆い被さっていた。甘い桃のような香りのする唇の感触はものすごく柔らかい。
「!」
ぬる、と函部の舌が俺の唇を割って入ってくる。
(おいおいおい――マジかよ!)
拒絶するほど嫌だというわけじゃない、けれど女の子として函部が好きかと問われたらそれは否だ。
函部が好きなのはあくまで女としての俺なのである。そんな彼女と恋人になんてなれない。
それなのに。
(こんなことしていいのか――!?)
でも、止まらない。女の子のいい匂いっていうのか? それが俺の思考を鈍らせる。加えて函部のこの表情、微かな喘ぎ。男としての俺が、本能的に女を求めていた。
「んっ……は、あ……っ」
激しい口づけを交わす俺達。
ぞくぞくとした快感が背中を駆け抜ける。俺は椅子から立ち上がり函部を組み敷くと、己のパンツに手をかけた。そしてはっとする。


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