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一枚の写真
【初恋 恋愛小説】

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ヒロ兄ちゃんとユキ姉ちゃん-17

「ユキ姉ちゃんはいつになったらお店に来るの?」
と.....ユキ姉ちゃんの事を聞いていなかったのか....それとも聞いていても理解できなかったからか....今となればわからないが残酷な事を一番聞いてはいけない人に聞いてしまった....
「みっ美香!!」
母が私の所に走って来て、ヒロ兄ちゃんから離そうとした。ヒロ兄ちゃんは母を制して、私の両肩に手を置き、しゃがんで、私と目を合わせて、
「ユキは.....ユキはもうここに来ないんだよ....」
ヒロ兄ちゃんは悲しそうな笑顔を浮かべた。
「えっ?どうして?」
「ユキは....ユキはとてもいい娘だから....神様が.....神様がどうしてもそばに置いておきたいって連れて行ってしまったんだよ....」
「どこへ連れて行ってしまったの?」
「....空の向こうの....星の世界だよ!」
「もう....逢えないの?」
ヒロ兄ちゃんは静かに頷いた。
「逢いたいよ.....ユキ姉ちゃんに逢いたいよ....」
「俺も....俺も逢いたい....逢って声を聞きたい....逢ってユキを抱きしめたい....」
ヒロ兄ちゃんは私を抱きしめた。
「いっ痛いよ....ヒロ兄ちゃん!!」
「ゴメン!」
ヒロ兄ちゃんは私を離して、立ち上がり、上を向いた。ヒロ兄ちゃんの目から涙がこぼれ落ちるのが見えた。
「ヒロ兄ちゃん泣いているの?」
ヒロ兄ちゃんは手の甲で涙を拭い、
「情けないよね....俺は....今だに....ユキの事を考えると....涙が溢れ出て来る.....」
再び上を向いたヒロ兄ちゃんの目から涙がこぼれ落ちていた。父も母も....そして里美さんも泣いていた.....


私はこの時誓った。二度とユキ姉ちゃんの事を口にしないと.....ヒロ兄ちゃんが悲しむから......ユキ姉ちゃんの事が大好きだったけど......


ヒロ兄ちゃん.....
私はこの頃からずっとヒロ兄ちゃんの事が好きなんだよ!
この頃はまだ....初恋というには幼すぎる想いだったけど....


私は.....
恋するという事を知った今でも.....
ヒロ兄ちゃんの事が好きなんだよ!


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