ペットの恋-2
『ごめんね、梨華。急な仕事でバタついちゃって』
その声に振り返ると、色香を振り撒くようなボディラインの分かる薄手のニットワンピを着て、ミネラルウォーターを持った玲子が困ったような笑顔を向けて歩いてきていた。
『あっ、いえ…大丈夫です』
一瞬ドキッとして、すぐに視線を逸らすと少し間を開けて隣に座る玲子。
色っぽいなぁ…
思いながらドキドキしていると、【昨日はちゃんと我慢出来たの?】といきなり聞かれて、なんとなく焦ってしまう。
『は…、はいっ。ちゃんと我慢しましたっ』
その焦る様子に少し疑いの眼差しを向けた玲子だったが、すぐに下半身のほんの少しの膨らみに気付き納得する。
『イイコね。主人の言い付けを守れるペットは好きよ』
玲子はそう言って、隣に座る梨華の茶色の巻き髪を優しく撫でた。
きゅん、
【好き】という言葉と髪を撫でられたことにときめきを感じた梨華は、今まで玲子の身体にばかり気を取られていたが、実は恋をしているのかもしれないと気付くと急に心臓の音がうるさく感じて、耳まで赤くしながら俯いてしまった。
『梨華…』
名前を呼ばれて顔を上げると、そっと優しく触れるだけのキスが降ってきて、温かく柔らかいその感触に全身がとろけてしまうような錯覚に陥る。
角度を変えながら続けられるその行為は、段々とDeepなものへと変化して、与えられるままに答えながら次第に夢中になっていく。
静かな室内に響く、口付けを交わす微かな音。
唇が離れる頃、梨華の瞳は熱く潤んで少し息が上がっていた。