〈利益の卵〉-37
『なに鼻水垂らしてんのよ?汚いわね!』
『ウハハハ!!生卵を噴き出したぞ』
『今度はオシッコ漏らしたか?恥ずかしい奴だな』
「ん"があ"ぁ"ぁ"ぁ"ッ!!!」
美優には、泣き叫ぶ事しか出来ない。
顔を壊されて罵倒される屈辱も、股間を弄ばれて跳びはねながら排泄に至った恥辱も、自分では振り払う事も出来ない。
誰かがこの処刑台を分解してくれるまで、美優はずっと生贄のままだ。
(ママ……助けて……ママ………)
薄れていく意識の中で、美優は亡き母を呼んでいた……映画やドラマのように、霊魂に力があるのなら、あの母が黙っているはずはない……きっと、きっと助けに来てくれる……………………そんな想いを嘲笑うように、美優の下半身に、また先程と同じ感覚が生まれていた………熱く、焼けるような感覚………。
『へへへ、俺の〈種〉を付けてやったぜ』
『おお、あのデカチンにマワされても締まりはイイなあ……』
阿鼻叫喚の美優に、欲望に膨れた男根が我先にと突き刺さり、体内を精液で汚していく……結局は性交に至らなければ気が済まないのだ。
『あぁ……私も欲しくなってきちゃった……私にもして』
美優の輪姦に興奮した女性客が、若い男性客の肉棒を掴むと、そのまま口に含んで舌での愛撫を始めた。
美優の鮮血が付着しているのも気にならないようだ。二人は美優の目の前で、人目も憚らずに性行為に至り、下品な叫び声をあげて互いの身体を貪る。
理性の箍(たが)が外れた観客は、文字通り酒池肉林の宴に没頭していった。
まだ傷も癒えぬ美優の〈穴〉に、男性客の肉棒が次々と入り込み、満足げな溜め息と共に精液を放出していく……町並みが夕暮れに染まる頃、処刑台の分解作業は始まった………。
『あの娘、どうだった?』
あのビルディングの一階にある事務所で、美優の母親と最初に面談した男が話していた。
美優が凌辱を受けている間、母親はこの部屋でくつろいでいたのだ。
TVは無論、DVDも完備、スタッフを呼べば食事まで出てくる快適な空間だ。
『美優ちゃんは頑張りましたよ……これが、今回のギャランティです』
男が差し出した茶封筒は、かなりの厚みがあり、縦にしたらそのまま立っていそうなほどだ。
母親は封筒を少し開けて中を覗くと、ニヤリと微笑んだ。