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〈利益の卵〉
【鬼畜 官能小説】

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〈利益の卵〉-11

『もう美優にはファンがいるのよ?写真集買ってくれた人とか、DVDも買ってくれた人とか。期待を裏切ったらダメよ』

「………うん」


小さく……本当に小さく美優は頷いた。
あの事は言えない……それに、何を言っても母親は理解してくれない……自分の気持ちなど考えてもくれない……やりきれない寂しさが、美優の心を覆っていった。


『……美優、今が大事な時なんだから。もっと人気者になれば、TVにだって出れるようになるわよ?美優は誰にも負けないくらい可愛いんだから』

「……分かった…」


もう何も言わない……美優は、ゆっくりと箸を動かし、少しご飯を口に運んだ。また前のような、美味しさなど感じない夕飯に逆戻りしてしまっている今の状況はやはり悲しく、仕事への不満を口にしてしまった自分を、またも悔いていた。


「ママ……ごめんなさい……私…頑張るから……」


絞り出すように、美優は心にも無い台詞を吐いた……それは諦めにも似た言葉……冷え切った空気、不味い食事から逃げるように、美優は部屋へと駆けていった。


(行きたくない……行きたくないよ………)


ベッドの中で丸くなり、布団を被って美優は泣いていた。

制服・水着・ブルマ……言われるがままに着替え、言われるがままにポーズを決める自分は、一体何なのだろう?
それに、そんな自分の写真集を買う男達は、一体どんな《目》で見ているのだろう?
誰にも触れられた訳でもないのに、美優は自分の身体が汚されたような錯覚に陥っていた。


(嫌……嫌………)


いくら美優が思ったところで、時間は刻々と過ぎていき、今の状況は何一つ変わりはしない。
よく眠れぬままに夜は過ぎ、空は白み……いつもの〈休日〉が始まり……美優はいつものスタジオに来てしまっていた。





『おはよう美優ちゃん!!』

「おはようございます!よろしくお願いします!!」


重たい心とは裏腹に、スタッフの挨拶に条件反射で、いつもの元気な挨拶を返してスタジオに入った。
今日は、学校の教室を思わせるセットが組まれており、机や椅子が複数置かれていた。
そのセットを横目に、美優は楽屋へと向かい、ドアを開けて入っていくと、そこにはいつものスタイリストが立っていた。


『美優ちゃんおはよう。今日は白のスクール水着ね』


言われるがまま、美優はカーテンに仕切られた更衣室に入り、水着へと着替えた……それはいつもの水着とは違い、どこか身体に張り付くような感触があった……それはスクール水着の形をした競泳水着のようだった。



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