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てき屋のマコ
【コメディ 官能小説】

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てき屋のマコ8-3

「あら…上山さんが招待してくれたのよ」
両頬を桜色に染めた睦美が嬉しそうに微笑んだ。
アルコールのせいか普段のクールさは陰を潜めている。
「あなた達のも改めて御礼を言いたかったし…」
そう言うと微笑みを称えた睦美の視線が。
源さん達、年寄り連中に取り囲まれている誠司を追った。
「素敵よねぇ…彼…」
うっとりと瞳を細める睦美。

「にぁん!」
マコの口から漏れる奇声。
猫の真似をしている訳ではなかった。
“なに!”っと言おうとしたのか…まぁそんなところであった。

方やナンシーは。
「フー…フー…」
明らかに相手を威嚇する猫科の動物になっている。

「あら?どうしたの?二人とも」
そんな二人を穏やかな微笑みで見つめ返す睦美。
マコとナンシーの誠司への思いを知って知らずかは定かでないが。
そこにはマコとナンシーにはない大人の余裕の様な物があった。


「あっ!里田さん!来てくれたんですね!」
冷戦を繰り広げるマコ、ナンシーと睦美の元に、その冷戦の原因が。

「「誠司さぁん!」」
ぱっと色めきたつマコ、ナンシー。

「どうも…上山さん」
優しげな微笑みを浮かべて。
ここでも大人の余裕を見せつける睦美。

しかし、誠司のその脇に寄り添う。
事態をもっと混乱させるであろう小悪魔の影。
「こんばんは…マコさん、ナンシーさん、それに刑事さんも」
天真爛漫な笑顔を浮かべるマドカであった。

「マ…マ…マド…カちゃん!?」
マドカの事は嫌いではないマコだが…。
色々な要素が混じり過ぎてパニック寸前。

ナンシーに至っては。
呆然としながらも本能だけで動いているのであろうか…おもむろに手にしたバーベキューを食べ始めている。

睦美はやはり大人だった。
ニッコリとマドカに微笑みかけると。
「ありがとう…あなたが勇気を出してくれたお陰で逮捕状が下りたわ」
優しく語りかける。

「みんなが勇気をくれたから…」
マコの方をチラッと見てからはにかむマドカ。
そして…誠司の腕にすがりつくと。
「大好きな鵠ヶ浜海岸の為にも…」
誠司の事をニッコリと見上げる。
誠司も優しげな微笑みでマドカを見つめ返している。

「ぬぁぁぁぁ…!」
驚きの声を上げるマコだが…。
さすがにマドカが相手では。
力づくで誠司から引き離す訳にもいかずに地団駄を踏み続ける。


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