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てき屋のマコ
【コメディ 官能小説】

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てき屋のマコ8-2

「ナンシー?」
ヘラヘラと笑いながらナンシーに声をかけるマコ。

「へい?」
答えるナンシーもこれまたヘラヘラと笑っている。

「アタシが出て行っても、あのアパートに住んでていーからな」
すっかり嫁ぐつもりマコ。

「マコ…長い間、お世話になったっす」
花嫁の様な挨拶のナンシー。

「「…………」」
ニヤついた顔から一転、はて?っと言った顔で見つめ合うマコとナンシー。

「アタシだ!アタシが出ていくんだ!」
ナンシーのほっぺたを両手でビィョンと引っ張るマコ。

「う…うちでやんす!」
マコの鼻を摘み返すナンシー。

「こんにゃろ!」

「ひたひでひゃんす!」(痛いでやんす!)

誠司の前で仔猫がじゃれ合う様な取っ組み合いを始めるマコとナンシー。

「わっ!マコさん!ナンシーさん!…と…とにかく!今日は楽しんでいって下さい!乾杯!」
缶ビールを片手にした誠司がそんなマコとナンシーの間に割って入ってきた。

マコとナンシーの争いなど何処吹く風といった鵠ヶ浜海岸の面々。

「「「「かんぱ〜い!!!」」」」
みんな…一刻も早く飲みたい様であった。

なにはともあれ、そんなこんなで…。
バーベキュー大会の幕は切って落とされた。

「むむむ…むむむっむ!」(むちゃくちゃ…美味いっす)
両手にバーベキューの串を持って、口いっぱいに肉を詰めこんだナンシー。
すっかりご満悦の様子だ。

「ぷはぁぁぁ!んめぇぇ!」
その横でマコも缶の中のビールをグビグビと流し込んでいる。

なんだかんだ言っても片時も離れようとしない二人。
そんな二人の元に…。

「楽しそうね…二人とも」
缶ビールを手にした睦美がやってきた。
普段は見せないジーンズにTシャツというラフな格好だ。

突然の睦美の来訪にマコ。
「プゥゥゥゥッ!!」
口に含んだビールを吹き出していた。
そのビールは勢い良くナンシーの顔にかかっている。

ビールを顔にかけられたナンシーは口の中に頬張った肉を喉に詰め。
「むぐぐぐっ…」
目を白黒させている。

「さ…とだ…さん、どうも…」
まさかこの場にまで睦美が来ているとは…。
マコは取り繕うにペコリと頭を下げた。

やっと喉に詰まった物を飲み込んだナンシー。
「ど…どうして此処に?」
自分の胸を叩きながらの涙目になっている。
しかしその言葉はマコより直球だ。


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