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tomomi
【若奥さん 官能小説】

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tomomi 2-1

私はまた…
いつかのような化粧をして出かけてみた。

そして向かった先はというと先日、知美と飲んだあのどこか寂れたような歓楽街だった。
そう、私じゃない別人になりすまして、あの時のように夜の女に間違われてみたいと思ったからだ。

もちろん、若くていい男とならば、そのままセックスしてもいい。
この前みたいなおじさんとなら微妙だな…
濃厚で愉しませてくれるかも知れないし、しつこくてウザいだけかも知れない。

しつこいのと濃厚なのとは紙一重の差なんだって、一人で勝手に感心したりした。

今夜も白のショートを着てこようかと思ったけど、闇夜に目立ちすぎてもいけない。

少しばかり襟元が広く、洒落っけを施してあるが、ごく普通の丈のダークスーツに身を包んでみた。
そのかわり、下には黒いキャミひとつしか着けていない。

何とも変な格好になってしまったけれど、ウザい男だったら間違いですと断れるし、いい男なら前を開いて少し強引に誘ってみてもいいかも知れない。

どのみち、普段あまり出かける事もなかった私は大人の女に見せるためのスーツといえば、このふたつしか持っていなかったからだ。


そこへ佇んでみると、春とはいえ、少しまだ肌寒かった。
それから通りの向こう、ネオンの下に佇む女たちは紺色の長いパーカーを着ていたり、デニムのジャケットを羽織ってたり…ずっとラフな格好をしていた。

私のイメージで夜の女というのはもうお尻がはみ出してるような短いスカートに黒いタイツを履いてタバコなど吹かしながら男の目をひくようなイメージだったけど、現実はそんな人ひとりもいない…
映画やテレビの見すぎなんだろうか?…

こちら側にも二人か三人か同じような格好をした女の人がいた。
それにしてもなかなか男はつかまらない。
じっと立ってる肌寒さが身にしみる。

この前の時は本当に偶然中の偶然だったのかも知れない。
先ほど、遠目にも若い男が私を見ながら通りを渡って歓楽街のネオンの中に入って行った。
今更だけどあの男とならばまずまずの相手かも知れない。

近頃ではインターネットを通じて、もっとストレートに男を誘う方法もあるのではないかと思う。
こちらは売り手市場なので一応、相手は選び放題だけどアドレスから妙なしがらみに付きまとわれるのもどうかと思った。

そんな事より、直接相手を選ぶ方法として思いついたのがこんな形だったのだ。気に入らなければ、きっぱり間違いですと断ればいいだけの事。

ベテラン記者を夫に持つとそうした些細な事から身元が割れたりしないかと妙な警戒心が身についてしまう。
きっとその反動がオナニー中毒だったり、こうしてスパイごっこみたいな事に興味を駆り立てられるんだろう。

夫はきっとろくに帰宅もせず、そうした些細な糸口を拾い集めて情報をつかんだりしてるのだ。


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