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tomomi
【若奥さん 官能小説】

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tomomi 2-2

先ほど、私の後ろから通りを横切って歓楽街に入って行った男がいた。

バックに撫でた短い髪を少し明るく染めて、野球選手が着ているようなジャンパーにスラッと細いジーンズ姿のなかなかいい男のようだった。

私が本当のプロの女なら、ダメもとできっと声をかけられただろうけど、私はただ行き過ぎるその男と目を合わせるだけだった。

その人がまたネオンの中からこちらに向かって歩いてくるのが見えた。
飲みに来たにしてはちょっと帰りが早いように思う。
誰かを探しに来たのか、女を買いに来た…
きっとそうだろう。

「見ない顔だね。」

私が声をかけようと身構えると先に向こうから声をかけてきた。
少女時代のほのかな恋のときめきのように鼓動が早くなる。

「あの…誰か探してらっしゃるの?」

慌ててへんな言葉遣いをしてしまった。

「そんなわけじゃないけど…
お姉さんはいくらだい?」

私はいくらなんだろう?
ここまで来てそんな事、考えてもいなかった。
ストレートに切り出してくれたはいいけど、おなかの出っ張ったおじさんなら、いくらかふっかけても良いとは思っていた。

近くで見るとそれほど若くない、三十半ばぐらいに見えるがいい男だから一夜きりの相手には十分だ。

「ホテル代込みでイチハチ…
それでいいのかい?」

「い…いい、いい。」

私は何をやってるんだか…
壊れたオモチャみたいに小刻みにうなずくばかりだ。

じゃあという事で男と歩き出した。
イチハチって一万八千円という意味だろうか。
だとしたら、ホテル代に半分消えたとしても一夜で結構な値段になるのだ。

大通りに沿って歩いて男はあるところで曲がった。
それから狭い道に入って行く。

「どこまで行くの?」

私は男に尋ねてみた。

「松風じゃないの?」

男に聞くとここらの女はみんなその松風という旅館を利用してるそうだ。
ネオン街に佇んでいる女は自分の店の階上を利用してる事もあるという。

私は自分の値段の事もどこでセックスするかという事も何も考えてはいなかった。
[松風]はそんな感じのたしかに古びた昭和の連れ込み宿だった。

中に入ると年配の女性が黙ってスリッパを出して部屋に案内した。

部屋は二間で三畳ほどの居間にどこにでもあるよなガラスのテーブルが添えつけられていて床の間には男と女の浮世絵が飾ってある。
奥の部屋は布団が一組枕がふたつ…ゾッとするような情緒だけはじゅうぶんに漂っていた。

「お風呂…一緒に入りましょうか?」

男と一緒にお風呂に入るなど亭主とだって数えるほどだけど、昭和の情緒がなぜか私にそう言わせたのだった。

裸になってコンクリートに丸いタイル張りのバスルームは二人入るとまた狭く、あまりバスタブに浸かると汗で化けの皮が剥がれてしまうので私はほどほどにして浴槽から上がった男の体を洗う。

おへそから下に伸びる細い陰毛がセクシーに感じた。

よく見たら男のそれは私のオモチャ君ほどもあろうかと思うほど太くて長い。
あまりの激しさにすっぽり抜け落ちてしまうんじゃないか…
それ以前に私の中に入るんだろうかと心配になってきた。

あれほど恋こがれたお〇ん〇んなんだから、大切にしなきゃと私は思い込んで先っ穂から剥けた皮のあまったところまで石鹸をつけて指先で丁寧に洗うのだった。


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