悪夢の日々-20
こうして、悪夢の日々が続いた。
ねちっこい攻めをしてくるお兄ちゃん。
激しい責めのサク。
交互に求められて、なんだかあたしは、自分がモテてるような錯覚もしてくる。
それはもしかしたら、心が壊れないようにするための"防衛本能"なのかもしれない。
だんだんと、二人のえっちにも慣れてきて、こっそり比較してみたりして。
自分の淫乱さを嘆くのもなんだかバカバカしくなって、もう気にしないことにした。
そうしたら二人に要求されるあんなコトやこんなコトも、気持ち良くなって乱れちゃって、また喜ばれちゃって。
この先どうなるのかなんて分からない。
いつかはお兄ちゃんに、サクとのことがバレるかもしれない。
それどころか、結衣や、まったく違う誰かに見付かるかもしれない。
そうしたら、なぜサクに脅されてるのかも言わなきゃいけないだろう。
お兄ちゃんとのコトが、皆にバレてしまうんだ。
あたし達には、"タブーを侵した兄妹"のレッテルが貼り付けられる。
…―今の状態は、儚くて脆い。
危ういバランスの三角関係の上で、ぐらつく足元を見ないでいるには…
あたし自身が快感に溺れてしまうのが、やっぱり一番ラク、だったんだよね―…