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ドラゴンクエスト5 天空の花嫁
【二次創作 官能小説】

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幼年編 その四 妖精の里-3

**――**

 リョカが目を開けると、最初に飛び込んできたのは雪一色の世界。
「雪だ……、こんなに積もってるなんて見たことないや……」
「ぼうず〜!」
「なに? シドレー……うわっぷ!」
 リョカが振り向くと小さい雪の玉が投げつけられる。鼻先でもふっとはじけて冷たさを残す雪球に、リョカも負けじと足元の雪で玉を作り、投げ返す。
「ふふん! 当たるか、そんなひょろだま!」
 シドレーはひょいとかわすも、続く玉がバスンと顔面に命中。
「やったな、坊主! うりゃ、うりゃ!」
 シドレーは雪の上に降り立つと、小さな手で雪をほいほい投げ始める。
「お、やるか! どうだ!」
 リョカも同じくやり返すが……。
「きゃっ!」
 その玉はベラにぶつかり、彼女は怒りにぷるぷると震えだす。
「このアホガキ!」
 ベラはそう言うと足元の雪で玉を作り、リョカに投げつける。
「はは、ベラさん、こちら!」
 こうして始まった雪合戦。ガロンは雪の冷たさで震えながら、休める場所を探していた。
 すると、そっとガロンを抱きかかえてくれる手があった。青い髪の少女はガロンを持ち上げ、未だに雪合戦を続ける二人と一匹のほうへと歩み出る。
「三人とも、子猫ちゃんが寒がっていますわよ〜。早く村に参りましょう……」
 その呼びかけに夢中で走りまわる彼らは気付いていない様子。
「ほらほらー!」
「きー! まちなさい! このバカとかげ!」
「ねえ、ベラさ〜ん」
 間延びした声は興奮した彼らを冷やすことはなく……。
「ほらほら、リョカさんも〜」
 それた雪球が少女のほうへと向かい……。
「きゃっ!」
 顔面にぶつかった……。
 ガロンは驚いて彼女のほうを見るが、その表情にぶるっと身震いすると、無理やりにでもその腕の中を逃げようとした。だが、彼女はそれを許さず、なれた手つきで背中を撫でる。ガロンは寒さとは別の理由で震えていたが……。
「あ、ごめんなさい……」
「ご、ごめん!」
「いやな、このアホエルフがいけないんやで……」
 二人と一匹は青いロングヘアーの少女に気付いたらしく、口々に謝りだす。
「リョカさ〜ん、ベラさ〜ん、それにメラリザードさん? ちょっといいですか? お話しがありますんで……」
 ぱらぱらと雪を払う少女はにっこりと微笑んでいるものの、額には怒りの四つ筋が浮かんでおり……。


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