異界幻想ゼヴ・セトロノシュ-23
「っ……!」
ぴくん、と深花の体が震えた。
縮こまりそうになった舌を、ティトーのそれが一瞬早く捕らえる。
捕らえてしまえば、こっちのものだ。
深花の中でくすぶる、まだ慣れない快感を引き出すべくティトーは慎重に技巧を凝らす。
深花の方も慣れないながらに色々習得しようと必死で、一生懸命キスに応えた。
「んぷ……」
二人はかなりの時間、舌を絡め合う。
唇を離した時、深花の唇は混ざり合った唾液で卑猥に濡れ光っていた。
こぼれた唾液で唇の端からは幾筋もの跡が着き、ますますいやらしい。
上気した頬に弛緩した体……準備は、整ったといえる。
ティトーは薄く笑って、唾液の跡を舐め取った。
「ふ……!」
そんなに些細な事にさえ、今の深花は反応する。
顔中にキスを降らせながら、ティトーは深花の下半身を裸に剥いた。
体を隠そうとした手に自分の手を絡めてやんわり防ぎながら、唇で初々しい肉体を吟味する。
見立て通りに骨組みは細く、およそ戦闘向きではない。
さほど筋肉がついている訳でもないから、神機戦へはともかく実戦への投入は先送りになるだろう。
最も、貴重な神機パイロットをそうそう実戦投入するかと問われれば……ティトー自身も、実戦経験はあまりない。
もちろん軍人として十分な訓練は受けているが、自分達神機乗りは仲間と組んだ天敵との大規模戦がメインなので、訓練項目は少人数による緊密な連携や協調性に重きが置かれるのだ。
「テ、ティトーさん……」
もそもそ動いてなにやら抗議し始めた深花へ、ティトーは注意を戻す。
「ん、どした?」
「あの、手を……」
体の疼きと堪え難い恥ずかしさとで頬を真っ赤に染めた深花は、それだけ言うのがやっとだ。
嗜虐心をそそられたティトーは、思わず舌なめずりしたくなる。
舌なめずりする代わりに胸の谷間部分へ音を立ててキスすると、ティトーは深花の手を解放した。
爪を立てて引っ掻かれでもしない限り、深花の抵抗や攻撃はさしたる脅威ではないと判断したのである。
自由になった手を両の乳房に添えると、ティトーは片方の先端を口腔に納めた。
「ひっ!」
ぬめっとした感触に、深花は鋭く息を飲む。
ティトーは目を細めると、乳首を交互に愛撫し始めた。
「ん……あ、ふ……」
すぐに唇から艶めかしい声が漏れ始め、深花は自分の声に驚く。
こんな行為は正真正銘、昨日のジュリアスとのそれが初めてだった。
授業による知識は仕込まれていてもそれ以上を知ろうとはあまり思えなかったし、自分の体を慰めた事もない。
なのにこんな反応が出るという事は……昨日の慌ただしい行為の中で、ジュリアスが教え込んだと考えるのが自然である。
短気で粗雑で、どう見ても女をスマートに扱える男には見えなかったのだが……そんなテクニシャンとは、実に驚きだ。
「っく、ふううっ!」
ティトーの指先が脇腹をくすぐるように撫で下りたため、深花の体が大きく跳ねた。
「おっと……いい反応してくれるじゃないか」
「え……きゃあっ!」
ティトーは、脇腹が性感帯と見抜いたらしい。
爪を軽く立てて、引っ掻くように指を往復させる。
「あ、きゃ、やだ、ちょっと……!」
体へ勝手に震えが走る事に狼狽し、深花は思わずティトーの腕を掴んだ。
腕を塞がれたティトーはニヤリと笑い……顔を伏せる。
「ふにゃっ!?」
へそに舌を突っ込まれ、深花は頓狂な声を上げた。
怯んでしまい、腕から手を離す。
「男の前に裸を晒した時点で、攻められない場所はないと思いな」
ぺろり、とへその周りを舐めてからティトーは言った。
そのまま唇は、へその下へと滑っていく。
「あ……」
茂みの縁へ、唇がたどり着いた。