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仔猫の診察
【同性愛♀ 官能小説】

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仔猫の診察-5

 2 拘束

当日、午前中にわたし達は最寄りの駅で待ち合わせた。
みほは、ブラウンのトレンチ、キレイなグリーンのトップスに、紺のミニスカート。
服装はカジュアルだが、だいぶ緊張しているようなので、まずはお茶に誘う。

「そんなに固くならないで!
ちょちょっと見るだけよ!」

「…はい…」

あら、逆効果だったかしら、真っ赤になっちゃった。
急いで話を逸らす。

「高山さん、この間、本が好きって言ってたよね?
映画はどう?
ドラマとか…?好きな芸能人はいる?」

「映画も、よく観ます。でもほとんど洋画です。
好きな芸能人は…木村佳乃、です」

「木村佳乃?わたし、よく、似てるって言われるんだけど?
なぁんて、ファンの人を前にして失礼よね、わたしったら!」

…いや、でも、本当によく言われるのだ。

「いえ、そんな失礼だなんて…!
葉山先生、ホントに似てらっしゃいますよね!」

「ふふっ、ありがとう!」

ファンに認められると…やっぱり嬉しい。


わたしは、看護師学校の臨時講師は水曜のみで、他の平日は診療をしている。
大学のOBが開いている医院に、ツテで入ったのだ。
こじんまりとした街の病院だが、入院するベッドは8つ。
妊婦が産気づいた時には、病院の隣に居を構える院長がかけつける。
ただ、所詮、わたしのような若い医者はまだ信用されていないので、周期的に看ている患者は少ない。
わたしは院長の穴埋め的存在なので、自分の診療室はもらっていても、ヒマは多いのだ。


―正午すぎ。
午前中の患者を片付けた看護師達が、わきゃわきゃとランチに出て行く。
そこを見計らって、自分の生徒を診療室へと招き入れる。
これで、高山みほは、わたしの生徒兼患者となった。
看護師達は、2時近くまで戻らない。
院長も、自宅で昼食を取
る。

わたしは、着ていたコートを脱ぎ、高山みほの分と併せてロッカーへしまった。
とりあえず高山みほを丸イスに座らせ、デスクの明かりをつける。
新しいカルテは…やめておこう、診療代を取るつもりは無い患者だ。
最低限の問診は、脳内に保存する。
そして、白衣をまとう。

「高山さん、じゃあ…
……どうしたの?」

彼女は真っ赤だ。
…なんと言うか、わたしに見とれてる?
つい、そう思ってしまうような表情だった。


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