投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

援助交際
【学園物 恋愛小説】

援助交際の最初へ 援助交際 3 援助交際 5 援助交際の最後へ

援助交際-4

「お前・・・・何でここに?」
「せ、先生こそ外でお酒なんか飲んでていいの。お巡りさんに見付かったら煩いよ」
「こう見えて職質って経験無いんだ。何て聞かれるんだ、やっぱあれこれ言うのか」
「・・・・当たり障りの無い言い方だけど。さっさと帰れとか、頭ごなしに言う人はいない」
「詳しいな、いつもこうして夜遅くにフラフラしてんのか」
「煩いッ!!あんたに何がわかんのよッ!!」

東宮にカバンを投げ付けられ、胃袋に当たって、吐き気が中と喉で同時に弾けた。

「うぷっ・・・」
「ご、ごめん、大丈夫?」

すると、東宮が俺の背中を擦りながら、心配そうに顔を覗き込んでくる。
今のは衝動的だな、多分。触れちゃいけない地雷を踏んでしまったのか。

「駄目だ、吐いてもいいか」
「待って!ほら、これ!」

何故持っていたのかは知らないが、東宮はビニール袋を広げた。
用意のいい奴だ。こういう物を持っている高校生というのも珍しい。

「って言ったらどうする?」
「はああ?!か、からかってんの、このダメ教師!ふざけんな!その髭汚いのよ!」
「いやいや、すまん。でもお前、優しいんだな。やめろって言われるかと思ったよ」
「べっ・・・別に、地面にぶちまけるの見たくなかったから。それにさ、大人なんだから片付ける人の事も考えれば」

金髪で飾りジャラジャラの女子高生に説教される、三十路入り口の飲んだくれクズ教師。
なんと面白いんだ、俺という人間は。

どうせならもっと叱ってもらおう、と何を間違ったのか自棄になって、胸にしまい込んだ傷を打ち明ける事にした。
俺はクズだ、捨てられた理由が嫌という程理解出来る。

「俺さ、本当は来月結婚する予定だったんだ」
「はいはい。もう飲むのはやめたら?」
「いや、真面目に。いいや、不真面目か。じゃなきゃちゃんと結婚出来たもんなぁ」
「・・・・何言ってんの?頭おかしくなった?」
「悲しいが頭は正常だ。思考が弛んでるだけで、な。もし異常ならこんなに苦しまないだろうさ。何ならほら、見てみろ」
「・・・・・・・・・そう、か。そんな事があったんだ・・・」

最初は信じていない様子だったけど、携帯の待ち受けにしていたあいつを見せたら、妄言では無いと理解してくれたらしい。
まだ画像は消去しきれていないが、これでも少しずつ、葛藤を誤魔化しながら処理してるんだ。


「じゃあ、寂しいんだね。先生は」
「まっ、まあ、な」


馬鹿じゃないの、この腑抜け。もずく頭のヘタレ男。

そんな反応を期待していたから、東宮に問われてつい答えてしまった。


援助交際の最初へ 援助交際 3 援助交際 5 援助交際の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前