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援助交際
【学園物 恋愛小説】

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援助交際-7

「あううっ!!い、痛いよ先生ぇぇっ!!」


咄嗟に東宮を抱き締め、寝転がって体勢を変えた。
ついさっきと同じ様に俺が下になり、東宮が上の体勢に・・・

「え、ええっ、どうなったの、何で私がまた上に?」
「下よりは怖くないだろ、乗っかられるよりはさ」
「こ・・・!怖いって?!誰が、だって私から誘ったんだよ、ここ、怖いわけ・・・・!」

叫ぼうとする東宮をもっと抱き締めて、何も言わせない様にした。
これ以上喋っても自らを傷つけてしまうだけだ。

「さっきは・・・ごめんな。お前の悩みをあしらって、さ」
「いや、いいよ。私に比べたら先生のは重過ぎるから。只の失恋じゃないからね」
「そうだ。だけどな、お前を抱えてやれるくらいの強さはある、つもりだ」
「・・・・強さ、か」

抱き締めている背中を優しく撫でて、あやす様にぽん、ぽんと叩いてやった。
強さがある、というのは只の願望だ。そんなもの今の俺に残ってない。
でも、それが欲しいという思いが静かに、そして確かに芽生えた。

「・・・先生」
「ん?」
「・・・・今度は、先生からキスして」
「お願いされると照れるな」
「してよ。今夜は・・・それだけで、いいから」
「・・・・ああ」

ますます強くなっていく雨が窓を叩いて、部屋の中の音を飲み込んでいく−

俺はこの後、ずっと東宮を抱き締めていた。
今の今迄ダメ教師だったんだから、せめて今夜くらいは近くにいる生徒を安心させてやりたい−


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


次の日、俺は出勤前に久々に髭を剃った。
鏡には希望に満ちあふれて有頂天だった頃の顔があった。

あの頃と違って、無くした寂しさがあるけれど・・・・・・
それも今は、寧ろ心地好ささえ感じていた。


「よし・・・・・・」


携帯に保存していた画像を全て消去し終えた。
これで、終わり。あいつが残した物はもう俺の周りには無くなった。

また、やり直すさ。
もう一度、見付けるさ。


「お・・・っ、何だ」


丁度終わったところで着信があった。
男みたいな名前だと言われると怒る、派手な見た目の東宮潤。

電話だと思ったらメールで少しがっかりしつつも、わくわくしながら確認の為に開いた。


¨おはよう。今日は私の相談、ちゃんと聞いてくれる?¨


絵文字も無い普通の文面だったが、自分の気持ちをストレートに乗せたメールだった。


俺は直ぐ様返信した。
返事の内容はもう決まりきっている。


・・・例え転んでも、つまづいても、また立ち上がれる。

自分を必要としてくれる人がいるのなら−


〜〜おしまい〜〜


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