【松本梨絵】-5
もしかして、雪人が言ってた「溶けちゃうプレゼント」って…
…隆のこと…?
「隆、雪人に…何かされた、のっ…?」
「今は…あの人の名前出さないで」
そう言いながら、まるでもう雪人の名前を出させないようにあたしの唇をふさぐ。
「んんんっ…!」
唇をふさがれたまま、また隆が体を腰を打ち付けだすから。
もう、あたしは隆のことしか考えられない…
どくんっ…
隆の体液があたしの太ももの上をなぞる感覚がしばらく続いて…
隆はあたしの顔を見つめながら、切なそうな顔をしていた。
お互いが衣服を整えても、沈黙が続いていた。
そうしているうちに気づいたことがひとつ。
普段雪人が使わない、コーヒーカップがひとつ…置いてあったのだ。
飲みかけのコーヒーが入ったそれ。
「もう一度聞くわね。雪人に何かされた?」
恐る恐る、聞いてみる。
また隆は機嫌を損ねるのではないかと…怖かったから。
「…媚薬、らしいよ。このカップに入ってたの」
隆は顎でカップを示し、苦笑いする。
え…? 媚薬…?
「松本の誕生日プレゼントにはぴったりだろ? だって。俺の体ごと、社長は使いやがった」
「媚薬のせいで…こんなにしちゃったってわけ…?」
「みたいだね。ホントごめん。加減できなかった…」
あたしの頭をそっと隆が撫でる。
さっきみたいに乱暴な感じではなく、割れ物に触れるみたいに。
「…いいのよ」
あたしは隆に抱きついて、耳元でそう囁く。
隆になら、こんなにされても嫌じゃないもの。
「ちょっと、梨絵さん、俺まだ…」
「え?」
「まだ、落ち着いてないみたい…だから」
隆が顔を真っ赤にして、目を背ける。
そっと指を隆の下半身まで下ろすと、先ほどあんなに激しく吐精したのに、かたくなっているものがあった。