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ヲタク彼氏
【コメディ 恋愛小説】

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**誰も彼もちんぷんかんぷん**-2

「本田さんだっけ?なかなか空気読める子なんだね。」

そう言いながら当たり前のように私の前の席に座って
アイスを食べる私の元王子様。甘いの好きなのかな?
何してもかっこいいな。ちくしょう。

「本当は日和ちゃんが余計なこと言わないようにつけてたんだ。」
「えぇっ?!尾行してたんですか?!全然気づかなかった・・。」
「まぁ、隠そうとしてくれたから合格かな。危うかったけど。」
「合格って何ですか。私だって言っていいことと悪いことの区別くらいつきますよ。」
「日和ちゃんの場合はうまく隠しきれなくて結局バレちゃうタイプでしょ。」

当たってるから何も言い返せないです。

「今日は瀬戸先輩と一緒じゃないんですね。」

二人でいたらさすがに気づくか。周りが騒がしくなるし。

「いつも一緒にいるわけじゃないよ。晴輝は友達が多いから、だいたいみんなに囲まれてるし。」

そういえば!!前に片桐先輩に言われた言葉を思い出す。「晴輝は俺のだから」
あれは一体どういう意味で言ったのでしょうか?

「日和ちゃんとこうやって二人で話すのは初めてだね。」
「あぁ、はっはい・・。そうですね。」
「いつもは晴輝が一人で騒いでるしね。」
「そうですね・・。」

どうしよう!!片桐先輩と話すのは初めてじゃないし
最近よく話してる気になってたけど、あれは瀬戸先輩がほとんど会話を仕切っていたわけで、直接面と向かって話したことないじゃん!!
入学してからずっと好きだった人とこうして放課後にカフェでお茶してるなんて・・・
考えただけでも緊張してきたー!!

「もしかして、緊張してるの?」
「いいいえええ、そそそそんなことは」
「どもりすぎでしょ」

少し笑いながら紅茶を飲む片桐先輩のかっこいいこと・・。
もう、死んでもいいです。

「もう行こうか。」
「えっ?もう行くんですか?」
「うん、時間ないし」

何の時間だろうと考えてから「さっさと食べないと食べちゃうよ」と私のワッフルを半分ほど食べられたので必死に食べ始める。
絶対言う前から狙ってたんだ。

カフェを出て向かった先は片桐先輩のお家。
二人きりで男の部屋に入っていいものかと悩んでいたら「俺にだって選ぶ権利くらいある」って言われた。
私は選択肢に含まれないってか。
優ちゃんがいたときとキャラ変わってるし。
私はこっちの先輩も嫌いじゃないけど。
だってかっこいいもん。
おんなじ顔なんだもん。

「単刀直入に聞くけど、日和ちゃんは晴輝のことどう思ってるの?」

部屋に入るなり突然、ブレザーを脱ぎながら私に問いかける先輩。あわわわっな生着替え?!

「全部着替えるわけないでしょ。」
「心が読めるのですか?!」
「口に出してたよ。」

渡辺日和、一生の不覚。


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