三人の男たちの冬物語(短編2)-4
高校を卒業してから一度も会っていなかったミホコに、僕は東京で六年ぶりに偶然出会った。
高校時代、僕はずっとミホコが好きだった。ミホコのそばを通るだけで、彼女のいい匂いがした。
でも、僕はミホコに思いを告げることもできず、高校を卒業すると、僕は就職で上京し、ミホコ
は地元の短大に進んだ。
東京で再会したとき、自分のぎこちなさが見え隠れした。あのころの青いときが、澄んだ空の
ように僕たちのあいだに見えたような気がした。ミホコの白いブラウスの胸元から、懐かしい匂
いが僕を包み込んだ気がする。
…つきあってくれないか…
思い切ってミホコに言った僕の突然の言葉に、どこか戸惑いを隠せないミホコは小さくうなずい
てくれた。そして、一年後僕たちは結婚した。
ミホコの最近の仕事が忙しすぎたのかもしれない。僕は半年前に派遣先の会社を突然解雇されて
から、ずっと臨時のバイトをしながら、ミホコの代わりに家事をしていた。
朝起きるとミホコのために食事をつくり、洗濯と掃除をする。ときどき酒に酔ったミホコは夜
遅く帰宅することもあった。酔って先にそのまま寝てしまう彼女をパジャマに着替えさせること
もあった。
朝、ミホコが出かけたあと、彼女の下着を洗濯機に入れる。手にした下着を鼻にあてるが、あの
ころのミホコの匂いは消えていた。
そのとき、僕とミホコのあいだに、何か遠い溝のようなものを感じたのは、思い違いではなかっ
たのだ。
あの男からの電話がかかってくる。
…今日、わたしとミホコさん入籍しましたから、連絡しておきますね…ええ、もちろん今夜もい
つものSMホテルで楽しんでますよ…
…実にいい喘ぎ声をあげて悦んでますよ…ええ、乗馬鞭でミホコさんのむっちりとした尻をスパ
ンキングしてます…ミホコさんって、鞭で虐めれば虐めるほど、いい匂いを漂わせますね…
可愛いあそこの割れ目をぐっしょり濡らしてね…あそこの割れ目だけでなく、尻の穴までうっと
りするくらいのミホコさんの匂いが籠もっててね…たまりませんね…
…わたしのチン○ンなんて、ミホコさんを虐めたくて、もうビンビン堅くなってますよ…
…今から、蝋燭責めで楽しませてもらいますよ…低温蝋燭なんて、チャチなものは使いません…
本物の蝋燭で、じっくりいい匂いのする割れ目と尻穴を虐めてあげますよ…
…もちろん、ミホコさんがそれを望んでいますからね…フフッ…
男がかけてきた携帯電話からは、かすかにミホコの嗚咽が聞こえてくる。男の顔が縛られたミホ
コの広げた股間に埋められ、まさぐる姿が浮かんでくる。