Island Fiction第7話-7
「いいぃぃ、イク、イク、イク、イッちゃうぅぅぅ――っ!」
カズキのペニスが怒張でわななき、高ぶるままに蓄えられていたすべてを炸裂させた。
「出るぅっ! 出すぞぉっ!」
子宮へ目がけて腰を押しつけ、汲み上げた精を何度も繰り返し吐き出す。
「イクぅぅぅ――っ! あああぁぁ――っ!!」
連続して吹きつける精液を吸い上げるように姉様の腰がうねる。
きつく締め付け、尿道の残滓も残さず飲み干していいった。
「ふゎぁぁ……、はぁぁっ、はあ、んはぁぁ……」
姉様は身動きできずに、深いオルガスムスの感触を味わった。
「さてと……」
カズキは深いため息をついた後、老耄の身を起こすようにゆっくりと立ち上がった。
それでも天を衝く肉棒は衰えを知らず、姉様の愛液で濡れて光っていた。
わたしは怯えた。
犯される恐怖と、犯される期待で体が硬直した。
尻餅をついたまま後ずさりしながら、股は開きっぱなしだった。
見方によっては誘っているようでもある。
喉が張り付いて声が出ない。
思い掛けないことに、アザレアが悲しげな表情でわたしを見つめていた。
事態を認識する前にわたしの防衛本能が働いた。
目を剥き、身構えた。
背中が粟立ち、アドレナリンが全身を駆け巡った。
何故だか生命の危機を感じたのだ。
アザレアのすぐ後ろにスミレ姉様が亡霊のように立ち尽くしていた。
まさに魂が抜かれていた。
テーブルにあった果物ナイフの刃先を反対にして握っていた。
そして、そのまま躊躇うことなく己の首筋に突き立てた。
細く鋭い刃先は頸椎を砕くには力が足りず、前方へすべるようにして皮膚や筋肉を切り裂き、総頸動脈や気管を突き破った。
姉様は悲鳴を上げることも、呻くことも、悲鳴を上げることも、痛がることもなかった。
何も聞こえず、何も感じず、何も考えていないようだった。
ショック状態に陥ることもなく立ち続けていた。
常識では考えられない。
首筋の筋肉が締め付けたのか、骨に引っ掛かったのか、ナイフが動かなくなった。
それでも、どうにかこじるようにして引き抜くと、傷口から漏れた息が笛のように甲高くて間抜けな音を発し、大量の鮮血がドッと吹き出した。
そこでそうやく、わたしは我に返った。
「イヤァァァ――っ!!」
わたしの悲鳴が夜の静寂に木霊した。
〜8話へつづく〜