Island Fiction第7話-4
「そんな風に人の意志を自由に操って楽しいの?」
「楽しいとか、そんなんじゃないわ。使命だもの」
「ずいぶんと自信家なのね。病院に行ったら? 自己愛性人格障害だって診断されるわよ」
「人は微妙な精神バランスの元で自尊心を保ってるのよ。人はそれを誇大自己への傾倒だとして自惚れと呼び、ある人は自己主張であり誇りであると言う。見る角度によって物事は変わってしまうものよ。言ったでしょ? 人は都合のいい見方しかしないのよ」
姉様がブラのホックに手をかけ、たわわな乳房がこぼれた。
息継ぎをする度に緩やかに揺れる。
そして、ショーツをずり下ろして右の足首に引っかけたまま股を開いた。
アンダーヘアーが完璧に手入れされていた。
薄すぎず、濃すぎず、存在感を示しながら主張しすぎることがない。
一分の隙もなかった。
アソコは使い込まれていて、黒くくすんでいた。
でも汚らしさはない。
左右均等に整い、うっとりするほど美しく、そして卑猥だった。
愛液でテラテラと光るこの入り口から、赤ちゃんが生まれ出た。
そう思うと、わたしは身震いした。
姉様の繊手がラビアをかき分け、朱色の中身を愛撫する。
「ふぁあぁぁん、あぁっ、ううん、ああぁ……! ねえ、お母さんのマンコ見て! ヒクヒクいってるのよ。オチンチン欲しい、欲しいって、おねだりしてるのぉ」
喋る度にワレ目がひくつき、トロリと蜜が流れてくる。
「ああ、見てるわよ。しっかり弄りなさい」
「でもぉ、もう、我慢できないのぉ」
姉様は猫なで声でねだる。
「後であげるから、もうちょっと我慢しなさい」
「あっ、はぁぁあ、っん、ううん、が、がまんするぅ」
カズキの肉塊は萎れることなく偉容を保っていた。
体毛がない滑らかな肌は瑞々しく、対する陰茎の凶悪さは不自然すぎる。
大人以上どころか、獣のモノなのだ。
こんなモノで貫かれたら裂けてしまう。
わたしは恐怖を覚えながらも、胸がざわめいた。
「一つ一つは意味をなさないように因数分解したイメージを与えると、脳は記憶の連鎖を起こすの。例えば、街で男とすれ違ったら、昔付き合ってた男と同じオーデコロンの匂いがして、その元彼との楽しかった日々が蘇って、彼の声が無性に聞きたくなって、彼に電話せずにはいられなくなる、みたいな、ね」
「上手く喩えたつもりのようだけど、あんたに恋愛経験なんてないじゃない」
「どうかしら。こう見えても、五年の間いろんなことを経験してきたのよ」
流されるままに生きてきたわたしにないものを、アザレアは持っているというのだろうか。
「嘘を言わないで」
わたしは嫉妬と動揺を振り払うように言い返した。