雨の半休日-11
…この間って!?
もしかして、この間のアレの時!?
あたしが、そんな甘ったるい声で『お兄ちゃぁんっ』なんて言ったの?
全っ然、覚えてないんだけど!!
「…なに、お前、自分で口にしたコト、覚えてねーの?
あんなに可愛かったのに〜!
『あたしはぁー、えっちな妹だからぁー、お兄ちゃんのでイッちゃう〜!』だっけな?」
「……〜〜っ!?」
あたしっ、そんなコト言ってないっ!…はず!
まさか、アニキがまた…
「おっと、からかってるわけじゃねーぞ?
あ〜こちゃんが、ホントに言ったんだからなー」
…うっ!
その、『あ〜こちゃん』って呼び方…。
昔は家族みんなに、そう呼ばれてた。
でも、あたしが『お兄ちゃん』って呼ばなくなったように、あたしも家族に『亜紀子!』って呼ばれるようになった。
…ただ、この間のアレの時に、アニキ…いや、お兄ちゃん、に、何度か『あ〜こ』って言われた。
まるで、"優しいお兄ちゃん"のような、甘い声で。
「…にしても、残念だなぁ…」
…―ギシッ
「『お兄ちゃぁん』って呼んだの、忘れてんだ?」
…―ギシッ
お兄ちゃん、が、ベットに乗り、だんだんと距離を詰めてくる。
あたしの体を四つんばいでまたぐから、なんだか蛇に睨まれたカエルのような気分になる。
「あん時、すっげーいやらしいおねだりしてくっからさぁ、オレ、耳から離れなくなっちゃってさぁ…」
…―ギシッ
「あの後からオレ、お前の声思い出して、何回も抜いてんだぜ?」
…抜いた、って!?
獲物は、完全に捕らえられてる。
頬を撫でられる感触は、まるで食材が物色されてるみたい。
「…あ〜こは、どう?」
…何が?
「あ〜こも、思い出してオナニーしたんじゃね?
オレの声とか、ちんち○とか思い出して、な?
しただろ、亜紀子?」
……っ!
「…やっぱ、したんだ?
沈黙の肯定、ってな。
顔、真っ赤だぞ」
そしてお兄ちゃんは、とんでもないことを言ってきた。
「ね、見せて、亜紀子のオナニー」