澪19歳-3
ガチャ…。
ドアが開いて悠紀が顔をだす。
「待ってたよ」
「どういうつもり?こんなところに呼び出すなんて」
澪は部屋には入らずに悠紀を問い詰める。
「…ここで話すのもなんだから中に入りなよ」
悠紀はドアを大きく開けて澪を促した。
「……」
澪はためらったが、確かにここで話は出来ない。
澪は中に入った。
悠紀は澪を中に招き入れると、ドアを閉めて鍵をかけた。
ガチャリ、という音を澪は背後で聞いた。
「来てもらったのは。」
悠紀が座るように澪を促しながら切り出した。
「澪は、どっちも選べないんだよね?」
「…うん」
「俺さ、本気で澪が好きなんだ。だから、先輩と話した」
思いがけない方に話が進んで澪は唖然とした。
「それで、ある提案があってさ。ここに先輩も呼んでるんだ」
「…ええっ!…」
澪が声を発したその時、コンコン、とドアがノックされた。
悠紀が立っていってドアを開ける。
そこには、智先輩が立っていた…。
澪は、どう言っていいのか判断が出来ずに智先輩から目を逸らした。
悠紀はドアを閉めてまた鍵をかける。
「やあ。澪ちゃん、話は悠紀から聞いたよ」
「…あの…」
「君は優しすぎて、どちらも選べない。そうなんだろう?」
澪の言葉を遮って智は続ける。
「だからさ」悠紀が言葉を挟む。
「相性のいい方を選んでもらおうと思って」
「…なんの」相性?と聞こうとして、悠紀のキスに遮られた。