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ヲタク彼氏
【コメディ 恋愛小説】

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**鯉と恋**-1

「なんかさぁー、小島って地味だよねー」
「確かにー!!いてもいなくてもわかんないもんねー」
「そのくせ、瀬戸君のこと好きかマジ調子のんなっての」

いいじゃない‥
あなたたちには迷惑かけてなのに‥
何でそんなこと言うのよ‥。
いいの。瀬戸君は私に気づいてくれたから。
瀬戸君だけが私に気づいてくれればいいの。

なのに‥‥
なのに‥‥!!!!

「何なのよ、その女!!こんなちんちくりんのどこがいいのよ!!」

うわっ、初対面の人にちんちくりんって言われた‥
何これ!どんな罰ゲームですか?!
どうも、最近、ツッコミ担当の渡辺日和です。
皆さん私の苗字とか忘れてたでしょ。
渡辺ですよ?出席番号はいつも最後の渡辺です。

「ヒヨタンはちんちくりんだけど、ちんちくりんだから可愛いの!!」

「なんで?!反論できてないし!!」

瀬戸先輩にまでちんちくりん呼ばわりされた・・。
女の人に言われるのと男の人に言われるのって負うダメージがちがうなぁ・・。
チクショウ!!

「先輩なんか、ただの二次元オタクじゃないですか!!」
「そうだよ!!二次元のヒヨタンは最強なんだよ!!」
「私は立体(三次元)です!!」
「そうだぞ!!ヒヨタンは触れるし、ちゃんと会話も出来るんだ!!
感情表現だって豊かだし、何より抱き心地がさいこ「ゴフッ!!」

瀬戸先輩の腹部に片桐先輩のボディーブローか入った。
アーメン・・。

「全然話が進まないから、お前は黙ってろ。」
「由樹チャン冷たい・・。」

私は今、なんとも立派な京都風の豪邸にいます。
敷地内に池とかあった。ちょっとお高そうな鯉とかが泳いじゃってる。食べちゃうぞ。ってそうじゃない。
あれから片桐先輩の家であの女についての話を聞こうとしたけど、時間もだいぶ遅くたっていたので、とりあえず解散。
次の日、というか今朝。
昨日の続きは放課後にと片桐先輩から連絡があり(なぜ片桐先輩が私のアドレスを知っているのかは謎です。交換した覚えはない)放課後になって先輩が教室まで迎えに来てくれた。
もちろん片桐先輩が。
外で待ち合わせていた瀬戸先輩の頭には何故かたんこぶが出来ていた。多分片桐師匠の作品だと思う。

たどり着いたのは、見事な平屋の豪邸。
だから鯉、そんなにパクパクしてると私がパクッと食べちゃうぞ。


「こんな人、知りません。私の知ってる瀬戸君はこんなに変な方ではございません!」
「小島さんにまで変な人とか言われるなんて・・」
「私の好きな瀬戸君を返してちょうだい!!瀬戸君はかっこよくて、キラキラしてて、優しくて、王子様みたいだったの!!こんなナヨナヨした変人ではありません!!」
「ぐはぁっ!!HPが・・日和・・」

その手にはもう引っかかりませんよ。
そう言って私は瀬戸先輩から離れる。


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