Weak day-2
「あうっ!っ…あっ…」
一気に貫かれる。
圭さんは荒い息を吐いて、もうスパートをかけている。やっぱりなにも言ってくれない。
心ここに在らず。
それでも、圭さんの身体は私の身体をよく知っていて、イイトコロを攻めてくる。
荒々しい行為。
圭さんの心配など、する余裕はなくなった。
私の身体は腰をくねらせ圭さんを欲しがっていた。
「あぅうー あぅっ!あっあっあぁはっ…」
「はあぁっ!はっ!あぁっ!」
圭さんがくれる快楽に抗うことはできなくて。
大きく息をついてから、身体を起こした圭さんはへんな顔してた。
怒ってはなかった。
笑ってもなかった。
後処理をして、また私に覆い被さった。
私を抱き締めて、肩口に顔を埋めて
「…ごめん」
と、耳元で消えそうな声で言った。
『デカイ図体して、うざいのよ、へタレよ?コイツ』
そう言えば、美佳さんがそんなこと言ってたことがあったっけ。
あのときは彼の姉だからそう見えちゃうんだろうって思ったけど。
「大丈夫?」
「ん。…ごめん。僕の方こそ。大丈夫だった?」
「平気よ。だって圭さんだもん。…でも、どうしたの?」
「なんでもない。…なんでもないよ」
「…そう」
私は圭さんの背中に手を回して、ぽんぽん、と叩いてからそっと抱きしめた。
いつも圭さんがしてくれるように。
理由は言わないけど、これは甘えてくれてるんだ、と思った。
正直、安心した。
だって、圭さんってニンゲンが出来てて頭良くて。
つまらない男と付き合っていた馬鹿な私なんかにはもったいない人で。
…それを言ったら圭さんに怒られるんだけど。
(後日、店主の美佳さんに聞いたところによると、店で暴れた客を強制排除した時に、別のお客さんを転ばせてしまったそうで。
怪我はしなかったけど、怒って帰ってしまったらしい。それで自己嫌悪とかあったみたい。)
私は圭さんの頭を何度もなぜて
「だいじょうぶ…」
と、つぶやいて。
やがて顔を上げた圭さんの顔を引き寄せて、キリッとした目元にキスをした。
「大好き…」
圭さんのぼんやりとしていた表情がふっとほころび嬉しくなる。
ああ、圭さんが戻ってきた。
「ありがとう」
圭さんが口づけてきて。ふ。一安心?かな。
その後は
仕切直しっていうか。
そこは、ほら。
ね?
…おかげで遅刻しそうになったけどね。
fin.