告白リベンジマッチ-7
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「……行ったわね、吾妻」
「行ったなぁ」
連れだって教室を出て行く二人を見送って呟きが二つ。灯と、狭だった。
「上手くいくかしら?」
「さぁなぁ。それこそあいつら次第だろ」
そこで灯はため息を一つ。
「……はぁ。傍から見て分かるくらいお互い思いっきり意識してるのに、何を悩む事があるのかしら」
「いや、女の子が皆お前みたいな図太い神経してるワケねーじゃねガフぅッ!?」
「うっさい」
裏拳一発、狭轟沈。
窓に近づいて外を見ると、ちょうど二人が玄関からでていくところだった。
ここまで来たら後はそう……本人達次第。
「ま、健闘を祈るわ」
ぶっきらぼうにエールを送る灯だった。
▼▼
私達の通っている学校は、繁華街からそこそこ近いところに建っている。
そこそこ……というと曖昧な表現になってしまうが、歩きで30分程度、自転車で5分から10分くらい。
私も吾妻も自転車通学なので、外出の手段は自転車となった。
当然の事ながら、吾妻と放課後にこんな風に並んで校門をくぐるなんて事は今までなかったので、なんだかちょっと不思議な感じというか……気恥ずかしい。
(――いやいや!何を照れてんのよ私は!別にまだ恋人になったわけでも――恋人?)
そこまで考えて、昼休みにあった事を思い出した。
(うわうわうわわっ!!そうだった告白されたんだったっ!)
別に忘れてたわけじゃないけどその、何て言うか、あまりにも吾妻がいつも通りの感じだからほら。
(……それにしても、こっちって繁華街の方だよね。吾妻が連れて行きたいのって繁華街なのかな?)
昼休みの続きをするだけなら、学校でもいいと思うんだけど……。繁華街にしか無いものっていえば……。
(ひょっとして何か高いレストランの最上階とか予約してあって、ワイン片手に『君の瞳に乾杯』なんて……)
いや待て落ち着け私。
そもそも私達は未成年だし、学校の制服だし、それじゃまるでプロポーズ――
「〜〜〜〜っ!」
ぼっ、と顔が赤くなるのが分かった。
いやだから待て待て落ち着け私ってば!まだ付き合ってすらいないのにそれはないし!でもそれじゃ、あと残ってる可能性といえば……?
(映画館、とか……でもいきなり過ぎる気もするし、あとはちょっと離れたところにはラブホテル街が―――)
「ちょっと待ってそれはさすがにマズイと思うっ!」
「うぉっ!?」
「え?」
驚いた声にハッと我に返ると、怪訝そうな吾妻がこちらを見ていた。
「マズイって……何がだ?」
「え!?あ、えーっと……何でもないわよっ!」
「……いいけどな。とりあえず危ないからちゃんと前見て運転してくれ」
「うっさい!」
恥ずかしさを隠すように怒鳴り返し、赤い顔がバレないように若干うつむき加減で走らせる。
(……なによぅ、人の気も知らないでさ)
内心でそう愚痴りながら。