告白リベンジマッチ-11
「俺はそんなお前をもっと近くで見ていたいって思ってる。だから、俺と付き合ってほしい」
――あぁ、もう。
「……………ぃょ」
ぼそりと、聞き取れないくらいの声で呟く。
「?」
聞き取れなかったのだろう(当たり前か)、吾妻が首をかしげる。
だから、今度はもう少し大きな声で。
「……ずるいよ、吾妻」
あいつに、届くように。
「そんな嬉しい事言われちゃったらさ、――頷くしかないじゃん」
なんでかは分からないけれど。
きっと私は、泣いていた。
▼▼
「……ビビったぞ。いきなり泣き出すから」
「ごめんなさい……」
泣き出した私を見てあたふたする吾妻に連れられて、ゲームセンターを後にしたのはちょっと前。
店員さんが何事かとこちらを見ていた。申し訳ない。
よくよく考えてみたらゲームセンター内であれだけ長い間立ち話をしていたのだ。他のお客さんが通らなかったのは幸運という他ない。内容的にも。
「もう大丈夫か?」
「ん、平気。……えへへ」
「な、なんだよ」
「私達、恋人になったんだよね?」
「…………おう」
確認するだけの、だけどなんだかこそばゆいやり取り。二人とも照れ照れだった。
「……下の名前で呼んじゃう?」
「え、マジで?」
「……そ、創史っ」
「小羽」
「うひゃうっ!?」
私はまたしてもボンっ、と赤くなった。
「だ、ダメダメなんかすっごい恥ずかしいっ!」
「……だろうよ」
「うぅ……いつも灯とかには下の名前で呼ばれてるのに……」
「ま、急ぐ必要もねーだろ。ゆっくり行こうぜ」
「……うんっ!」
あぁもうなんだかすっごく幸せな気分。
「ね、アイス食べて帰ろっ」
「おう。チョコミントだな?」
「当然!」
「だよな……あ、そういえば」
吾妻が思い出したようにつぶやく。