Island Fiction第6話-5
「お姉ちゃん、カスミさんでしょ?」
「え? 何で?」
「お母さんの代わりに迎えに来たんだ」
「お母さんって……、スミレ姉様?」
「そうだよ」
この子はスミレ姉様の息子。
ということは、お父様の子でもあるということだろうか。
「もしかして、カズキ君?」
「そうだよ」
お母さんに似て、快活な少年のようだ。
「ごめんね。トウゴウはお姉ちゃんを丁重に案内するようにって言われてたんだ」
「い、いや、べつに……」
そう、わたしにSMプレイ強要して、わたしはMだからやっぱり無理で逃げてきた、などと相づちを打てるわけもなく、適当に言葉を濁した。
「あいつ、ドMの変態だから」
「え? あ、そう……」
ますます返答に困る。
「お姉ちゃん、オナニーしてたんでしょ?」
「え?」
「僕、ずっと見てたよ。お姉ちゃん、やらしいんだね」
穴があったら入りたかった。
こんな小さな子供に見られていたというより、はっきりと言葉で指摘されたことが恥ずかしかった。
わたしの顔は首元まで真っ赤に染め上がった。
〜7話へつづく〜