Island Fiction第6話-4
「感じ過ぎちゃうぅぅ」
わたしは声に出して呻いた。
「遠慮すんなよ。思いっきりヨガれよ」
若い男が言う。
「い、いや……」
「恥ずかしがることないよ」
男の言うとおりだ。
堂々と自分の気持ちを伝えればいいのだ。
「気持ちいいんだろ?」
「はい……。気持ちいいです……もっと……」
「もっと何だ?」
「もっと見てください……。うん、はぁぁ……。見られてると、感じちゃうぅぅ」
屈辱に身悶え、被虐に酔いしれた。
「イキたかったら思いっきりイケよ」
「はい……。イクところを見てください……、グチョグチョのオマンコでイクところを見てください」
男たちの前で思いっきりイケばいいのだ。
わたしのイキ顔を曝してやれば、少しはクルミへの贖罪となるだろうか。
「ああ、だめ、だめ、だめぇぇぇ」
人だかりの背後にアザレアがいた。
レースのフリルとリボンが付いたゴスロリ調の服をまとい、十二歳だったあの頃のままの澄まし顔でこちらを見つめていた。
アザレア、見て、わたし、成長したんだよ。
大人になったよ。
下の毛は生えたし、オッパイだって大きくなったよ。
わたしは心の中でアザレアへ伝えた。
「いく、いく、いくぅぅぅ――っ!」
体が硬直した。
膣の中で猛烈に暴れまくるバイブを強く締め付けた。
ガッと、いきなり腕を取られた。
引っ張られ、人だかりをかき分け、連れ出された。
公園を出て街中を走った。
有らぬ姿のわたしに目を丸くする人々の中を抜けていった。
わたしの手を引きながら走るのは子供だった。
五、六歳くらいか、もう少し上だろうか。
見知らぬ男の子だった。
路地裏へ入り、一息入れた。
久しぶりの運動で、息を整えるのに時間がかかった。
わたしは様々なことに整理がつかなかった。
きちんと記憶があるのに、細かなところが欠落している。
「お姉ちゃん、大丈夫?」
男の子が純真無垢な瞳を向けた。
素に戻ると、スケスケのレオタードがとてつもなく恥ずかしく感じた。