Island Fiction第6話-2
「くぅぅっ!」
声が出そうになって下唇をかみしめた。
わたしは何をやっているのだろう。
トウゴウからは結局何も聞けずじまいだった。
クルミに言われるがままやって来たのはいいものの、そもそもスミレ姉様と会ってどうしろというのか。
姉様と会って、わたしは何をする気なのだろうか。
スミレ姉様のもとに、数々の謎と疑問を解決する答えがあるというのだろうか。
スミレ姉様は島を出てから行方不明だ。
生死すら定かではない。
会える保証はどこにもない。
トウゴウという男に担がれただけなのかもしれない。
もしくは、クルミはノスタルジックな気持ちで言ってみただけ、などというオチが待っているのかもしれない。
クルミはなぜあの店に捕らわれていたのだろうか。
なぜあんな殺され方をしなければならなかったのだろうか。
彼らを皆殺しにしたのはわたしなのだろうか。
店での惨劇は殺人事件として警察が動き出している。
わたしのことはニュースや新聞では取り上げられていないが、いずれ捜査の手が伸びるだろう。
「んぐっ、あぁっ、あっ、はぁぁあ……」
割れ目を引っ掻くように刺激しながら陰核を弾くと、後ろ向きの気持ちが変わっていった。
色々なことがどうでもよくなった。
股間の生地を引っ張り、股間に食い込ませた。
恥丘を強調しながら、レオタードでクリトリスを擦った。
「もうダメ……」
生地を横へずらした。
わたしの繊毛は盛り上がったワレ目を申し訳程度に囲んでいるだけだ。
きっと下からのぞき込めば、パックリと開いた花弁がヒクついているのが見えることだろう。
クチョクチョと湿った音を奏でながら丹念に膣の入り口を擦る。
「うぐうぅぅ……」
下唇を噛み、自らが掘り起こす快感を押し殺した。
愛液が塗されたラビアへ控えめな愛撫を加える。
指を滑らせ、皮の莢を削ると肉の蕾が顔を出す。
ズブズブと中指が沈む。
「あ、あ、あぁぁ、声が出ちゃうぅぅ」
卑猥な摩擦音と共に大量の蜜が掻き出される。
知らず知らずのうちに行為は激しさを増していった。
目に映る物が曖昧になった。
そびえ立つビルも看板のネオンもすべてが色あせている。
わたしは取り囲まれていた。
メタボオヤジや、バーコード頭のサラリーマンも、携帯で写真を撮る若い男も、どれもこれも輪郭がはっきりしない。
蔑んだようにイヤらしく笑う男たちの声も耳に入らない。
人気のない夜の公園で、わたしは見ず知らずの男たちの前でオナニーショーをしている。
この上ない恥辱ではあるけれども、もうわたしの官能は止められない。