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三人の男たちの冬物語
【SM 官能小説】

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三人の男たちの冬物語(短編1)-2

…結婚しようかな…と、ボクとのセックスの途中でも、カヨコさんは独り言のように何度も呟い
た。故郷でお見合いを勧められているらしい。お見合い写真の男は、厚ぼったい唇をした坊主頭
の髭の濃い男だった。


…いやなら、結婚しなければいいじゃない…そんなボクの言葉に、カヨコさんは、ちょっと寂し
そうに笑みを浮かべるだけだった。

わかっている…ふたりの中に取り残された寂しさと渇いた心が、どうしようもなく絡み合い、
あてもなく砂漠の中を彷徨っているような関係が、ただお互いの傷を舐め合う関係でしかないこ
とを…。


カヨコさんは、ボクと最後のセックスをした翌朝、ボクが寝ているあいだに瀬戸内海の生まれ故
郷に帰っていった。




…いつまで指を舐めているのかしら…

燿華というS嬢の女の細い指は、ボクの唇の中で甘酸っぱい匂いがした。ボクは唇を尖らせ、舌
でその指を捏ねるようにしゃぶり続けている。なぜかカヨコさんの指の匂いがする…。


全裸のボクの肌は、すでに鞭の幾筋もの条痕に染められている。ボクの両手首と両足首は、プレ
イルームの壁のX字になった磔木に広げられ、革枷を嵌められていた。


…お願いです…もっと舐めさせてください…

ボクの口から指を抜き取ろうとする女に、ねだるようにボクは唇を尖らせ呻いた。ボクの口から
離れた女の指先にボクのよだれがねっとりと付着し、滴り落ちている。

その指は、やっぱりカヨコさんの指にそっくり似ていたのだ。


ビシッー… あうっー

…そんなに欲しいのなら、鞭をあげるわ…と、女は冷酷に吐くと、手にした乗馬鞭で太腿を打ち
添えた。その痛みに、ボクの太腿の内肌が強ばり、ぷるぷると屹立したペニスが揺れる。

ボクの唾液で濡れた女の指は、首筋から湿り気を帯びた胸元を這う。そして、金属の重りの付い
た乳首クリップで挟まれ、すでにグミの赤い実のように充血した乳首の先端をつまみあげる…。




ボクがSMクラブを訪れるのは、初めてじゃない。失恋したあと、渇いた心とからだのすべてを
女の前に晒し、虐められることでなぜか癒されるような気がした。鞭の痛みは、真っ白になった
ボクの心とからだの中で、いつのまにか性の疼きとなり、快感となる。

そんなとき、ボクはやっぱりMなのだと思うのだ。


女の指はボクの腋の窪みを撫で、腹部の翳りを這い、ペニスのまわりに生えた悩ましい繊毛に
吸い寄せられるように繁みを掻き分け、勃起した肉棒に触れる。

女は目を細め、包皮からのぞいた、ボクの亀頭の敏感な朱肉の粘膜に指を触れる。


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